(彩香)「あげる!」
(隼人)「ん?」
私はさっき買った2枚のハンカチのうち、1枚を隼人に渡した。
(彩香)「私の気持ち…かな?」
(隼人)「…ありがと。じゃあ戻るぞ。」
(彩香)「はーい!」
そして、修学旅行が終わった。
私は隼人と付き合うことになった。
(彩香)「隼人好き〜!」
(隼人)「はいはい。」
…付き合ってもこの調子! でもね。
隼人がいつも、私があげたハンカチ持ってること、知ってるんだ。
こんな君だけど。 こんな君だからこそ。
私は君を好きになったんだ。
「好き」なんて伝えなくていいのかもしれない。 私達には、この言葉で十分かも。
「赤いチューリップ」
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!