意外かもなんて思いながら俺はご飯を口に運ぶ。
少し気になり横目で見てみるも琉依は3人の会話に興味が無いのか欠伸をしながら、入っていた人参を玲苑の弁当に移動させていた。
人参、嫌いなんだ…
人参で何故か場の雰囲気が悪くなる。
てか虎雅、気にするところが相手の健康って…言ってること親みたいになってる…
どっちにするのか決まったのか俺を見る睦希の目からさっきまであった迷いが消えていた。
箸を置いて立ち上がった睦希についていく。
無言で移動して俺が琉依の部屋に入ったところで睦希がドアを閉めた。
となれば、今後の予定が変わる。
一華達の報復の前に睦希の件を済ませる。
床に置いていたリュックを拾い上げ、入っていたノートの1ページを破り取る。
そして、そこに2つの電話番号を書き睦希に渡した。
俺はメイン機とサブ機をいつも持っている。
メイン機には家族、澪晴、唯我しか入っていない。
サブ機はそれに加えて学校の人とか…
メイン機は肌身離さず持ち歩いているが、サブ機は常に持つよう意識はしていても忘れることが多い。
ちなみに初期化されたのはサブ機、その時は颯斗の連絡先がサブ機にしか登録していなくて写真もサブ機にあったから全てが消えたのだ。
少し…いや、かなり予定外だが良いとしよう。
記憶の本が穴ぼこだらけなのが1番の原因だ。
流石に俺を追いかけて家まで来て、アイツらと遊んでいるところまで見た同級生が今、同じクラスにいるなんて思わなかった。
悩みを抱える睦希だから良かったものの、これが虎雅みたいないろんな意味で問題がある奴だったら…と考えると俺がパシられ脅される光景しか浮かばない。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。