大幅な予定変更に俺は部屋に戻ると、スグに紐から折り鶴を2つ外して破れないように広げた。
予定では、杏は事故死に、麻姫はその杏を突き飛ばした人に仕立てあげようとしたがもうその必要を考えなくていい。
別に椿はその後でいい…
どうしてやろうか。
あのクソ共に地獄に見させる為には、殴るとか蹴るとかの暴力なんかじゃ済ましたくない。
俺への暴力、椿へのカツアゲ。
俺はふと顔を上げる。
そこには時間割表が投げてあった。
1.体育(男女合同)
2.数学
3.技術(1技)
4.理科(2理で実験)
5.国語
6.道徳
目を付けたのは4時間目の理科。
しかも、2理の実験って薬品関係になるはず。
確か、今の範囲的に明日は塩酸を使った…
技術でノコギリで顔面を傷つけるのが確実だが、それは流石にバレやすいから出来ない。
澪晴が持ってたあの資料に載ってた事件でも、指紋が塩酸で物が溶けたせいで検出出来なかったって書かれてたのがあった気がする。
どうせ、杏は焦って椿に問い詰めるだろう。
「何をした」「次は私を殺す気!?」って。
あまり強くない椿は逃げ出す、追いかけようとした杏をそのまま俺がぶっ潰す。
最悪、椿は脅せばいい。簡単なことだ。
そうすると、椿に疑いが行くのか。
まだ報復をしていない椿が連れて行かれるのは俺としても不都合。
……別に杏は何も考えずに突き飛ばして、電車にでも轢かせればいいか。
いつも麻姫といるせいで他の友達いないし。
新しい折り紙に考えたことをメモして、新しい2羽の折り鶴を折る。
この麻姫の顔面に塩酸、出来るなら原液をぶっかける為に必要なこと。それは ──────
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────── 先生達の俺に対する信頼性だ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。