「3年、爆豪勝己」
「......はい」
「折寺中学3年、爆豪勝己殿。貴方は...」
「爆豪、県大会新記録だってさ!」
「今年も全国優勝しそうだな。」
「今回の定期テストも1位だったらしいぜ!!」
「いいなー、もう雄英高校合格確実じゃん。」
「そこ、表彰式中です。静かにしなさい。」
「なぁ爆豪ー、新記録だって?」
「触んな、黙って席戻れや」
「えー、ちょっとくらい見せて下さいよ~爆豪さん」
「ふんっ、お前らは一生かけても触れねぇよ」
「はい、帰りの会するから皆席戻れー」
「才能マンは言うことも違うわ~」
クラスの中心にいるかっちゃんを見ていると、幼い頃を思い出す
別に不仲になったわけじゃない。ただ、かっちゃんが凄くて、
いつも周りに人がいて、
私がかっちゃんの後ろをついていけなくなった
あれ、考え事してたら夕方になってる.........
いつ、家に帰ってきてたんだっけ......?
ぼーっとした表情のまま、勉強しようとゆっくりカバンに手を伸ばした時、インターホンが鳴る
私は一瞬ハッとして部屋を飛び出した
表彰集会の日、この時間。インターホンを押すのはあの人だけ
「あなた~、かっちゃんがきたよー」
「今行くー!」
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!