第44話

9-3
76
2021/10/20 18:36










「インターハイに行ったこと自体すごいことだし、かっちゃんの場合は勉強だって家事だって、なんだってすごい

私は体育祭ですらどうしたら足を引っ張らないかって考えてたのに





結局それもかっちゃんに助けてもらったようなもんだし…敵わないよ」





















爆豪 勝己
…今まで散々色んなやつからその言葉を言われ続けてきた










爆豪 勝己
俺にとっちゃそれはもはや意味をもたねぇ、当たり前のことだ











爆豪 勝己
だから俺は常に1位であり続けた
握っていた手を握り返される
爆豪 勝己
1番じゃなきゃ当たり前じゃなくなると思った




















爆豪 勝己
すごいとあなたに言われないと思った
床に座り込んでいた2人

かっちゃんが私を見つめる

目を逸らせない

手も抜け出せるはずなのに…、できない










「かっちゃんは出会った時から今もずっと私にとってすごい人だよ





でもそれがかっちゃんの負担になってたんだよね

わかってて気づいてないふりしてた





離れたくなくて…





ごめんね」

ようやく言えた。これで完全にかっちゃんを自由にさせてあげられる


















爆豪 勝己
…違う
かっちゃんの顔がゆっくり私の肩に落ちてきた

硬い短髪が私の左耳をくすぐる

握られた手とは別の彼の手が背中へ回ってきて体が温かい





私はその温もりに包まれながらかっちゃんの言葉の意味を考えた








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