第5話

2-2
376
2021/08/11 15:05











......


かっちゃんは黙って私に賞状を渡してきた

優勝の文字が目に入る。毎回、この文字...





...本当にこの人は、

遠い存在なんだな、





「大会、新記録!?すごいね!!かっちゃん!」

「県大会だし。大したことねぇ。」

「全国優勝3連覇、応援してるね!!」





「今年も大会、見にこいよ」










かっちゃんは私から賞状を受け取ると、「じゃあな」と言って帰っていった





かっちゃんは何か成績を残すたびに私に見せる

小学生のころは漢字テスト、書初め大会など些細なものが多かった

基本的になんでも上手にできるタイプだけど、中学で始めた陸上は段違いで凄く

入部した年の新人戦で全国優勝。一瞬にして町の有名人となった

次の年に全国大会を2連覇したときにはもう......










私がかっちゃんの後ろをついていけなくなった





遠く、離れてしまった......

私は、もう追いつけない

けれど、かっちゃんは










私も連れて行こうとする。










プリ小説オーディオドラマ