みんなの前で大恥をかいた後、俺は急いで寮に帰った
そして部屋につくと同時に膝から崩れ落ちた
今は自分のしたことを後悔している。それは綾瀬が明らかに困った表情をしてたから
好きな人のことを困らせるつもりはなかった
全部が空回りしている気がする。俺って何がしたいんだろう…
ぼーっと窓に映る夕焼けを眺める
無言のまま体勢も全く変えず、部屋の一部になりかけていたとき、誰かがドアをノックした
痺れた両足で懸命にドアを開けるとそこには切島と瀬呂が立っていた
俺は今日のことを全て話した。もちろん綾瀬のことも。
瀬呂の考察はなんか的を得ている気がする。俺はあぐらをしながら床に手をつけた体勢から正座に整え直した
ベッドの上であぐらをかいてるこいつはニタニタしながら俺の肩を強く叩いた
切島も俺と同じように目、鼻、口全てが開いたアホみたいな顔で次の言葉を待ってた
「「先輩!?」」
ようやく話し出したと思ったら切島は単純なことしか言わないし
こいつはとうとう俺のベッドに肘をついて横になり出すし
反対したり、応援したりなんなんだよ…
きっとあいつらなりの気遣いなんだろうけど、今は瀬呂がお姉様とリア充だということ以外考えられねぇ!!
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。