そんなことを思っていたからか、元気が無くなったように見えたらしい。
こ「ね、あなた、大丈夫?」
「・・・顔が近い。」
下手すれば病みそうなのを隠すように、ちょっと膨れてみる。
が。
さとみくんまでこっちを覗き込んできた。
さ「どうした?大丈夫か?」
自分の状況を客観的に見て、これは大抵の女子は惚れるなと思う。
とりあえず誤魔化しとこう。
「ころちゃんとさとみくんってなんか、すごい女の子で遊んでそうだなって。」
淡々と告げれば、傷ついた顔ををする。それを見て、ふはっと思わず笑ってしまった。
「ごめんね、そんなこと思ってないよ。2人とも彼女にはすごい優しそうだって。」
ころころと笑う私につられ、2人とも笑顔だ。良かった、やっぱり顔がいい人は笑顔が1番似合うから。
さ「あなた、ここがお風呂で、ここがリビングに行くドア。」
こ「それで、ここ開けたら、キッチンとダイニングに繋がってるから。なーくん、お待たせー!」
元気よくころちゃんはドアを開ける。
そこには、こっくりこっくりしている莉犬くんと、完全にくかーっと寝ているジェルくん、莉犬くんを支えているるぅとくん、そして呆れ顔のなーくんが食卓の椅子に座っていた。
「すみません遅れました・・・」
な「それは大丈夫なんだけど・・・こいつら起こしてくれない?」
「(( ̄▽ ̄;;)ア、ハハハハ…」
る「あなたちゃん、ちょっと来てください。」
るぅとくんに呼ばれ、近寄ってみる。すると、耳打ちされた。
る「莉犬は僕が何とかするんで、ジェルくんに・・・コソコソ」
「うん、分かった!」
ジェルくんの所まで行って、耳のそばでみんなに聞こえないように囁く。
「ジェルくん・・・」
ジェ「・・・んぁ?」
「・・・・・・大好き///」
ジェ「え!?あなた、今、なんて・・・」
「嘘だって(笑)朝ごはん、待たせてごめんね。」
ジェ「え、あ、うん。(ヤバっ囁き声エロくね?///惚れそう・・・)」
さとみくんとなーくんが、なんの入れ知恵をしたんだとるぅとくんを見ているのは忘れることにした。
り「ねぇ、食べようよ!ほら、あなたの席はここ!」
目を覚ました莉犬くんが明るく声をかけてくれる。
「うん!」
な「じゃあ、いただきます!」
みんな「いただきます!」
食べながら、なーくんに体調を聞かれる。
な「あなたちゃん、もう体調大丈夫?辛くない?」
「大丈夫!あと2日もすれば完全復活だと思うし、ちゃんと食べてれば倒れることもないから、動き回れるよー!」
楽しくお喋りする。
それで、みんなのご飯が半分ほど減った時、(もう私のは無いけど)なーくんが箸を置いた。
な「・・・それじゃあ、あなたちゃんに言うことがあるんだ。」
・・・・・・・・・え?
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。