あなたside

あなた (結局、その試合で悠希先輩が出ることはなかった。その試合はストレート勝ち。
……その後の試合も悠希先輩は出なくなった。その代わり俺が出るようになった。
…悠希先輩は部活に来なくなった。





































































そして、悠希先輩は部活を辞めた。





















それから、チームの雰囲気は悪くなった。先輩はずっとイライラしてて俺たち後輩は先輩たちのイライラに当たんないようにしていた。
俺は先輩達から……「お前のせいで悠希が辞めた。」って言われ続けた。
同級生、チームメイトも俺を無視するようになった。クラスでも無視されるようになった。その空気を呼んで学年、学校まで俺の無視は始まった。先生も最初は俺のことを気にしてくれたが…いつしか気にしなくなった。そして、俺にトスが上がることは無くなった。……バレーをさせて貰えなくなった。バレーができない世界は俺にとっては何にも変えられない地獄だった。そのせいか、何も上手くいかない。得意のサーブも大好きなキル・ブロックも上手く決まらない。手を見る度にこの手はなんでついてるのだろう。そう思えた。無性にイライラしてた。……そんな中でも、あいつだけは俺に話しかけてくれた。) 


ー公園ー

あなた ……

牛島 ……何をしている

あなた ﾋﾞｯｸ。……なんだ、うっしーくんか。

牛島 ……お前はなぜ最近部活に来ない。

あなた いきなりだな笑笑笑笑。…俺は行ってもバレーをすることが出来ない。なら、行かない。それだけだよ。

牛島 お前程のやつがバレーが出来ないと言ったら他の奴らはもっとできてないぞ？

あなた ?!?!?!?!?え〜と、俺は上手い下手の話をしてるんじゃなくて…

牛島 ??

あなた えーと、俺にトスは上がらないの、監督も試合に出してくんないし……

牛島 ??なら、もっと練習すればいいだろ……？

あなた う〜ん、なんか違う。えーこれ以上説明の仕方がない！

牛島 ……お前は俺が認めるほど強い。

あなた !!!おっおう。

牛島  お前は言わいる"天才”なのだろう、だがとても努力家だ。

あなた ……

牛島 お前、この前の土曜日ランニングをしてただろ、

あなた ……そうだけど？

牛島 俺もその時ちょうどランニングをしていて、後ろをついって行ったんだ。そしたら、

あなた そしたら？

牛島 お前のペースが早く、長い時間走っていたので俺は途中でついて行くのをやめた。

あなた ……やめたんかい！

牛島 お前は毎日あんな長距離を走っているのか？

あなた う〜ん、あの日より走る日もあるけど……まぁあんくらいじゃない？

牛島 そういうところは俺には真似出来ない。

あなた そうか？小学校からの週間だからな……もう慣れたんだよ。

牛島 ……そうか。……やはりお前はチームにいた方がいい。

あなた ??

牛島 お前の体力は桁違いだ。試合前半から全力でも後半まで持っているだろ。そんな選手がいるチームは強い。そして、お前のトスはセッター並だ。安定感、アタッカーの120%を引き出すトスはセッターでも難しいと言うのに…お前はそれを簡単にやってのける。ミドルブロッカーとしてもキル・ブロック、コミット・ブロックどのブロックも1級だ。そして、

あなた ストップ!!!うっしーくん!!!ストップ!!!

牛島 なんだ、

あなた 褒めてくれるのは嬉しいけど、褒めすぎはダメ！

牛島 そうか。俺的にはまだ足りないんだが……。

あなた なんなんだよ、うっしーくんよ。

牛島 だから、あなた。部活に帰ってこい。