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2021/09/22

第3話

真夏の訪問
伊藤 あなた
……あちぃー



大学を卒業してすぐに児童相談所で働き初めて3年目なるが、上司に無理矢理仕事を押し付けられたり、一筋縄ではいかない家庭、子供に振り回されながら頑張っている。


児童相談所は基本"何でも屋"で、児童や家庭に纏わることはなんでも相談を受ける。


毎日毎日訪問に出掛けて、訴えを聞いて、報告書を作成して、提出する。対応する子が問題を起こせば、その対応に当たる。

正直、ブラックもいいところだが、なぜか私は辞めずに今も頑張って働いている。








───なんでだろ、本当は、今すぐやめたいのにな。




空を見上げればジリジリと照りつける真夏の太陽。東京の夏ってしんどい。嫌い。


上はポロシャツだけど下はスーツ。真夏にスーツってキツい。しかも、渋谷のど真ん中にいるというなんとも過酷的な状況。


伊藤 あなた
あの子のところに訪問に行くのは夏やめてもいいかな?


(住んでるところは異常だけど、本人はめちゃめちゃしっかりものだし……)


彼が住んでいる風俗店に繋がるエレベーターに入りながらそんなことを考える。


店長
親が捨てた場所が風俗店ここです
だからそのまま住まわせてます────。



新人の時、初めての担当は彼だった。




初回訪問でここの店長にそう言われて、特に何の疑問もなく、あ、そうですか……と納得した。

そのまま仕事場に戻ったら、めちゃめちゃ怒られた。教育に悪いから、一時保護してこいと。




当時の私はその上司の言葉が理解できなかった。

だって、彼が住んでいるところは本当に、ちょっと、いや、かなり常識から外れていたが、とてもまともに育っていた。

本人にもここでいいと言われてしまえば保護する理由もない。

私は上司の意見に逆らって彼を保護せず、こうやってずっと家庭訪問というか風俗訪問を続けて彼の動向をチェックしているのだが……






ドラケン
お、やっと来たなあなた。今日は遅かったな


ウィーンとエレベーターの扉が開いた途端私は頭を抱えた。



何で、そこにいるのかな?






伊藤 あなた
ねぇねぇ、ドラケン。私今日訪問に来るって伝えといたと思うんだけど?
ドラケン
はぁ?だからこうやっているじゃん
暑さで頭やられたか?




そうね!願わくばこれが幻覚だと思いたいよ!




伊藤 あなた
……なんで君はフロントにいるの?
ドラケン
?……今日店長いねぇもん







だから、なんでいないんですか!?店長!



ガンッ!とフロントの机に頭を思いっきりぶつけた。




ドラケン
おーい、大丈夫かぁ?
伊藤 あなた
いいかい、ドラケン
私は訪問に来たら見たことを報告書に書いて上に提出しないといけないの
君は今何歳?正直に答えなさい
ドラケン
13歳
伊藤 あなた
13歳の子どもが!普通は働いたらいけないの!
しかも、風俗なんてヤバイでしょ!?世間体から見て!
だから、やるなら違う日にやって!お願いだから見えるところでやらないで!




一息で言うも、彼はケラケラと笑っている。


おい、こっちは真剣なんやぞ?



ドラケン
いいのかよ、見張り役の人がそんなこと言って
伊藤 あなた
いいの、見えないところなら何やっても私は知らないからいいの
見えるところでやられたら対応しなきゃいけないでしょ?
店長にもよくよく言っておいて


クズならクズだと言われても構わん。仕事を増やされるのは嫌なのだ。

訪問に来るのもしんどいのだから頼むよ……


ドラケン
じゃあ今日のこと言うのかよ
伊藤 あなた
保護することになったらめんどいから捏造ていぞうする。だから口裏合わせて



急にマジになったドラケンに頭を抱えながら返答するとプハッと吹き出した。




え、なんで笑うの?こっちはマジで勘弁なんだけど。


ドラケン
サンキュー!やっぱりあなたはサイコーだわ!
伊藤 あなた
もう次はやめて、絶対にやめて。店長にもよく言っておいて
あと、シャワー貸して



汗でびっしょりと濡れた服が気持ち悪いんだよ!



ドラケン
しょーがねーな……ホラよ
伊藤 あなた
ありがと



ドラケンからタオルを受け取り、いつものように奥のシャワー室に入った。















そのあと、私がいると分かって入ってきたオネーサマに胸を揉まれて追い出したのだが、いつものことだとフロントのドラケンは鮮やかに無視したのだった。