第6話

2020/05/15 22:44

数日後・・・・
ガシャン

コップを割ってしまった。

真由

理奈？大丈夫？顔色わるいよ？

理奈

そういえば、ちょっと熱っぽいかも・・・・

真由

医務室行く？

理奈

・・・・うん・・・

本当に熱を出してしまった。

井ノ原快彦

えっ？熱を出して早退？

真由

そうなの。ごめんね。

井ノ原快彦

そっか。
今日は、○○大学と試合あるからぜひ、見てほしかった

真由

えっ？○○大学？（坂本が、行ってるところだ）

坂本昌行

真由・・・・・とあいつ・・・

真由と話しているのは・・・
理奈の彼氏？

坂本昌行

ってことは、ここ理奈と真由の・・・・通ってる大学・・）

井ノ原快彦

あっ、噂をすれば・・・

真由

坂本・・・

井ノ原快彦

やぁ、君はあのときの

坂本昌行

どうも。今日は、よろしく。
それより、あいつ・・・応援来てないですね

井ノ原快彦

熱出して、早退したらしいんだ

坂本昌行

えっ？

会えると思ってたのに・・・

坂本昌行

・・・・

井ノ原快彦

あなたと彼女って・・・

坂本昌行

えっ？

井ノ原快彦

本当にただの幼なじみなんですか？

坂本昌行

今は・・・ね

幼なじみっぽくもない。ただの同級生だ。

井ノ原快彦

・・そう・・・ですか

坂本昌行

安心してください。
あいつとは何もないから

井ノ原快彦

・・・・・

坂本昌行

今日は、そういうのなしで勝負しますから

・・・いろんなこと忘れたいだけだ

真由

理奈

理奈

真由・・・

真由

どう？具合

理奈

うん、大丈夫。ありがとう

真由

良かった。今日ね、○○大学と練習試合あったんだけど・・・

理奈

○○大学って、坂本さんが、通ってる？

真由

あのね・・・理奈・・・実は・・

ピンポーン
真由が何かをいいかけたときに、インターホンがなる。

井ノ原快彦

理奈さん！

理奈

井ノ原君。いらっしゃい

真由

ちょっと、ノックぐらいしなさいよ。仮にも女子の部屋なんだから

井ノ原快彦

ケーキありますよ？食べますか？

真由

食べるけどさぁー

理奈

クスクス

井ノ原快彦

なんか、女の子の部屋って感じですね

理奈

な、なんか恥ずかしいよ

井ノ原快彦

隣は？

真由

隣が坂本ん家だよ

井ノ原快彦

えっ？

理奈

・・・・・

真由

高校時代は、いや、中学もか？
よく屋根づたいに理奈の部屋に来て、

坂本昌行

理奈！数学教えて！

理奈

もう！危ないわよ？

真由

えっ？坂本・・・いつもこんなことして理奈んち来てるの？

坂本昌行

下に降りるのめんどくさいから

井ノ原快彦

そっか・・・幼なじみは、本当だったんだね

理奈

お、覚えてないんだけどな・・・・
なんでだろう・・・

彼のことだけ思い出せない・・・

真由

・・・・・

坂本昌行

あ～あ・・・負けちまった

春菜

いいじゃない。また、試合あるんだしさ
っていうか、ただの練習試合だよ？そんなに悔しい？

坂本昌行

悔しいさ（理奈の彼氏に負けたし）

春菜

もしかして・・・元カノに会えなかったから？
力が出なかった・・・とか？

坂本昌行

元カノじゃねぇし

春菜

あんな熱烈なキスしておいて・・・

坂本昌行

ごめん、春菜・・・
俺、どうかしてた
俺、やっぱり・・・

春菜

・・・・・

坂本昌行

俺のこと、殴っていいから！

春菜

殴らないわよ

坂本昌行

えっ？でも・・・

春菜

あんたの気持ち、わかるから

坂本昌行

・・・そうなんだ・・・

春菜

だから、おあいこだよ？

坂本昌行

きっといつか・・・・
笑っておめでとうって言える日くるよな？

きっと・・・・

坂本昌行

えーっと・・・・

理奈

・・・えっ？坂本さん・・

だけど・・・隣には・・・

春菜

ねぇ、おかしいでしょ？

坂本昌行

ははっ！なんだそれ

彼女と笑っている彼に・・・

理奈

・・・！

なんだかズキンときて・・・

真由

お待たせ、理奈

理奈

・・・・・・・

真由

理奈？

理奈

Σ(´□｀;)あっ、ごめん

真由

・・・・？

真由は、理奈が向いていた方向に目をやると・・・そこには・・・

真由

坂本？

坂本は、女の子と楽しそうに話している。

理奈

お、驚いた。坂本さん、やっぱり彼女いたんだね

真由

妬いた？

理奈

えっ？

どういう意味？

真由

うそうそ。
あとで、二人をからかいにいこうか？

理奈

・・・・やめよう・・・

真由

なんで？幼なじみに彼女できたんだよ？

理奈

帰ろう

真由

えっ？今来たばっかりだよ？
理奈～？

坂本昌行

えっ？理奈？

春菜

ちょっと昌行、聞いてる？

坂本昌行

えっ？ごめん、ごめん。

春菜

ねぇ、そろそろ自分のアパート帰らないの？

坂本昌行

なんだよ、いいじゃん。飯代浮くし

春菜

そりゃそうだけどさ・・・
まぁ、幼なじみは、あんたを思い出しそうにないんでしょ？

坂本昌行

・・・・・

春菜

いい加減諦めたら？

坂本昌行

諦めれるんなら、とっくに諦めているさ

その頃

理奈

真由・・・

真由

えっ？

理奈

わたし、どうして泣いてるの？わたし、苦しいの・・・

坂本さんと、彼女を、見ていたらなんだか苦しいの

真由

・・・・

理奈

わたし、大事なことを忘れてるの？

真由

理奈・・・

真由は何も言えないでいた。

夏休みも終わりに近い日、俺は、帰ることにした。

雨降ってるけど・・・

ザァ～

坂本昌行

うわぁ～
すげぇ雨・・・

母

昌行？送るわよ？

坂本昌行

大丈夫。電車で帰るから

母

そう？気を付けてね

理奈

・・・坂本さん・・・

坂本昌行

理奈！じゃあな

理奈

はい、また・・・・

彼に会えなくなるのか・・・

そして、さらに数日・・・

井ノ原快彦

理奈さん

理奈

えっ？どうしたの？

井ノ原快彦

お祭りいきませんか？

理奈

祭り？

井ノ原快彦

理奈さんの地元のお祭り・・・
いや、花火大会の伝説、恋人同士で花火を見たらふたりは、結ばれると聞きましたよ
俺、理奈さんとみたいです

理奈

えっ？わたしと？

井ノ原快彦

だって、俺たち「恋人同士」でしょ！

理奈

・・・うん、そうだね・・・

でも、なんでだろう・・・
他の人と見たような？

坂本昌行

・・・シュート！

ザっ見事に決まる。

坂本昌行

よしっ！

真由

・・・・・・

そこに現れたのは・・・

坂本昌行

真由ちゃん

真由

ちゃん付けなんてしてた？

坂本昌行

・・・・

真由

こないだの彼女と一緒にいるかと思った

坂本昌行

春菜のこと？

真由

春菜って言うんだ。嘘つきね。付き合ってる人いないって言ったくせに

坂本昌行

バーカ。春菜とは付き合ってねぇよ

真由

ふぅーん。そうなんだ

坂本昌行

で？敵チームの偵察にでも来たのか？

真由

ち、違うわよ

坂本昌行

じゃあ、なんだよ

真由

あんたが理奈を好きになったのはいつ？

坂本昌行

えっ？なんだよ、それ。今さらそれを聞く？

真由

いいから、答えて！

坂本昌行

高校卒業する少し前・・・・かな。
あいつと長瀬が、付き合い始めた頃？
・・いや、実はもっと前かも・・・

自分の気持ちに確実に気づいたのは・

坂本昌行

花火大会で見たんだ・・・・長瀬と、理奈がキスをしているところを・・・・
その日から俺、そのシーンが頭から離れなくなって・・・
和美さんのことより、ショックで・・・・

真由

・・・・・

坂本昌行

あいつに不意打ちで、告白されたのが１番のきっかけかもしれないけど・・・・
卒業するまでずっとあいつといつものようにケンカができなくなってた
卒業して、大学入学してからいろんな女に声かけられたけど・・・・
付き合う気にはなれなかった
それは、理奈と再会したからだ。
久しぶりに、会えて嬉しかったのに・・・・

まさか、俺のことだけ忘れてるなんて・・・・

ありえねぇっつーの

真由

ごめんね、坂本・・・

もっと早く知らせるべきだった

坂本昌行

でも、あいつ・・・彼氏できて嬉しそうだし・・・
諦めた方がいいのかもな・・・

そう、諦めるのは俺の方。

坂本昌行

もう、あいつに会わないよ・・
・・・だから、真由・・・
俺の気持ちは、しまっておいてくれ

真由

・・・・・

坂本昌行

俺も、前向こうと思ってる

真由

いいの？それで・・・

坂本昌行

 ・・・いいよ

真由

・・・・・

春菜

・・・・強がっちゃって・・・・

後で聞いていた春菜だった。

花火大会当日

井ノ原快彦

楽しみだな

理奈

そうね

坂本昌行

げっ・・・理奈・・・

春菜

ちょっと！昌行・・・急に止まらないで

坂本昌行

もっとあっちに行こう

春菜

えっ？ちょっと！

井ノ原快彦

もうすぐ、始まりますね

理奈

うん

ヒュルルル
ぱぁーん
花火が一瞬で開いたとき明るくなる・・

井ノ原&理奈

あっ、・・・

坂本&春菜

あっ！

しまった。一周してしまった。

井ノ原快彦

手を繋いじゃって、仲がいいですね

坂本昌行

こ、これは・・・その💦

春菜

昌行が、他に行こうって言うから・・しかも、無理やり

井ノ原快彦

いいじゃないですか
花火、一緒に見ましょうよ

坂本昌行

俺は帰るところだったし

春菜

そうそう。明日も試合あるから、帰らなきゃ！じゃ、ごゆっくり～

そう言って、そそくさと逃げてきた

井ノ原快彦

お似合いなのにな

理奈

・・・・・

井ノ原快彦

理奈さん？

理奈

Σ(´□｀;)

井ノ原快彦

やっぱり、気になりますか？

理奈

えっ？

井ノ原快彦

ほら、彼とは幼なじみだし・・・
もしかして、記憶なくす前は、君が彼の事を好きだったとか？

理奈

ないない・・・
だって彼は、和美先輩が好きだったんだし・・・・

井ノ原快彦

理奈さんは？
坂本君のこと好きだったんじゃないんですか？

理奈

私は・・・・

わたしが、好きだったのは・・・・・

誰？

🎇ドドーン
花火が上がり始めた。

井ノ原快彦

理奈さん

井ノ原君は、キスをしてきた。
あのときの長瀬君のように。

井ノ原快彦

大学卒業したら、僕と、結婚してください

理奈

・・・・・・

なぜだか、涙が出てきた。
嬉しいのに・・・

井ノ原快彦

理奈さん？

理奈

・・・（どうして涙が出るの？）

井ノ原快彦

その涙は、受け止めてくれたってことですか！

井ノ原君に、抱き締められた私は・・・

「違う」って言えなかった・・・・・・

井ノ原快彦

花火、綺麗ですね

理奈

うん

井ノ原快彦

それじゃあ、また学校で！おやすみなさい

理奈

・・・・おやすみなさい

そして、真由が、報告しに来た。

真由

坂本・・・起きてるかな

坂本昌行

えっ？真由・・どうしたの？

真由

坂本・・・
井ノ原君が、理奈にプロポーズしたわよ

坂本昌行

えっ？プロポーズ・・・・

それは衝撃的な報告だった。

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第7話 6

藤原葉月

コンテスト受賞作品

グランプリ

好きになるのはキミ限定【完結】

なぁな

編集部コメント

主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした！<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。