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第1話

~A
326
2018/09/23 04:28
あの日の事を思い出す。
ツキンと心に痛みがはしった。

柔らかそうな茶色がかった髪の毛。
あ、でも、柔らかそうな…じゃなくて、柔らかい、かな。
角度によって翡翠色に見える瞳。
広い肩幅。


桜がふわりと舞った。

淡い桃色が視界を染めて胸がぎゅっと締め付けられた。

刀が鞘を抜けるときの微かな音が聞こえたような気がして。
フッとうしろをむいた。

(いるわけ、ないけど)





でも、あの木の下には貴方がいる。

あなたさんと言って私に笑いかけてくれた貴方。

すごく、長かった。
いままで、すごく。

逢いたいと望む日々。
逢えないと分かっているから死にゆく心。

どんどん、崩れて
消え失せていって。




でも、もうすぐ逢える。
穏やかな気持ちで、貴方にあえる。












「⿴⿻⿸」












愛している、貴方に。

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