第26話

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2021/05/11 14:41











スンチョル
スンチョル
ふぅ … よし 、!




ピンポーン








スンチョル
スンチョル
いないのかな 



俺はその場にしゃがみこんで目をつぶった。






…………









どのくらいたったかな。


しびれてきた。







スンチョル
スンチョル
いった …
碧優 (みう
碧優 (みう
…… すんちょる?




痺れた足を伸ばしていると、

前から懐かしい声が聞こえた。






スンチョル
スンチョル
碧優 … ?
碧優 (みう
碧優 (みう
どうしたの?うちの前で 、びっくりしちゃった





碧優は笑っていた。






スンチョル
スンチョル
あ ~ 、ごめん! ちょっと話したいことあってさ




俺は真っ直ぐに碧優を見つめた。





碧優 (みう
碧優 (みう
ん?
スンチョル
スンチョル
… 忘れらんない





そう言うと碧優はキョトンとしていた。





碧優 (みう
碧優 (みう
なにが?
スンチョル
スンチョル
碧優が 、 …… ずっと忘れらんなかった!




すると碧優は少し俯いて困ったような顔をした。






碧優 (みう
碧優 (みう
… ごめん
スンチョル
スンチョル
好きだ




碧優がびっくりしたように俺を見つめた。


碧優 (みう
碧優 (みう
ありがとう 、でも私 、
スンチョル
スンチョル
分かってるよ 、男といるとこ見たし 、
でも付き合ってる時に言えなかったから …



そういった途端、碧優の顔が真っ赤になった。



碧優 (みう
碧優 (みう
ありがとう 、付き合ってる時ずっと不安だった 。
聞いても答えてくれないし 、
私 、ずっとそう言われたかったんだよ?




碧優か顔をくしゃっとして笑顔を見せた。



スンチョル
スンチョル
ごめんな 、今更になって気づいたんだ 、
碧優の気持ち 。
スンチョル
スンチョル
でも 、言葉違った 、!
碧優 (みう
碧優 (みう
え?
スンチョル
スンチョル
好きだった 。本当に大好きだった !




もうあの頃には戻れない。

いや、戻らない。




大事な過去として君を忘れることは無いから。




'好き'じゃない。

'好きだった'んだ。






碧優 (みう
碧優 (みう
うん … 私も大好きだった … !
スンチョル
スンチョル
… ありがとな





そんな2人の間には、

とても穏やかな風が流れていたんだ。



スンチョル
スンチョル
じゃあ 、行くわ




俺は後ろを向いた。





碧優 (みう
碧優 (みう
元気でねっ!




背中から碧優の声。




スンチョル
スンチョル
美優もな!





手を振って2人は別れた。



別れたあとの俺は、とても穏やかで。


なにか引っかかってたものが取れたかのように。




頭の中は……はにでいっぱいだったんだ。



スンチョル
スンチョル
なんだ俺 、ちゃんとはにのこと好きになれてんじゃん



歩きながら1人で笑ってしまう。








気づけばもう季節は変わっていて、

寒くなってきた季節は…冬。

















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