はにの住んでいるマンションに着くと、
そう言ってはにはヘルメットを取って歩きだした。
そんなはにの腕を思わず掴んでしまった。
ちょっと気まずそうな顔をするはにの頭を軽く撫でた。
嬉しそうなはに に、ニコッと笑いかけて、
バイクで家へと向かった。
帰り道…
もう通り慣れているはずの地元の道を走っている時だった。
まるで初めての道を走っているようだった。
ただ頭の中では、
さっきまで一緒だったはにの笑顔だけが浮かんでいた。
全然だめだ…
全く思い出せない。
すると前からバイクの光が近づいてきた。
俺を呼んでいる男
見たことはある……
でも名前がわからない
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俺はものすごいスピードで家に帰った。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!