第12話

忘れないといいな、
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2020/11/14 09:00
あなたside










体が離れた
お互い顔は真っ赤で、今にでも蒸発してしまいそう、、、







伊吹「ごめんね、俺なんかで、、」

『いいんです。今しないと、もう一生できない気がして、、、笑』

伊吹「あなたちゃんなら、いつでも恋愛できるよ。っ、…」








何か言いかけようとしたのを辞めた伊吹さん。そのまま2人でベッドに潜り込んだ







伊吹「おやすみ」

『おやすみなさい』










世人じゃない、男の人がこんなに近くにいる

でも今は、この空間がすごく落ち着いた。

私はすぐに眠りについてしまった












.



目が覚めるともう外は明るかった。

隣にはすやすや眠っている伊吹さん。








顔、綺麗だな

そう思っていたら、彼がゆっくりと目を開けた





伊吹「ん、、おはよ、」

『おはようございます』





朝だからなのか掠れた声で挨拶をしてくれた伊吹さん。何故か心臓がうるさい









2人で準備をして、仕事のために分駐所へ向かった
















その日の夜、分駐所でのこと




伊吹さんに電話がかかってきて、その奥からはマイちゃんの、声。怒ってる。







伊吹「みんな、嫌いだって」

九重「分かるんですか?」

伊吹「わかんねーけどそう言ってんだよ、」





3人で、マイちゃんの元へと向かった。










.


伊吹「あっ、マイちゃん」

マイ「もう遅い!」

『ごめんね〜』

マイ「あなた、、」





マイちゃんを挟むように私と伊吹さんが座る。伊吹さんの隣には志摩さん。





店員の方がウイスキーを出してくれた。
私はあまりお酒が得意じゃないけど、飲まないと色々大変そうだからちゃんと飲むことにした








志摩「俺、出るわ。話聞き出せ、」








そう言って出ていってしまった志摩さん。何か避けているような気がした。










マイちゃんの話を聞くと、やはり日本人の外国人に対する扱い方が酷すぎると感じた。
私たちには何も出来ない。
私たちが変わっても、日本は変わらない。

悔しかった










あれ


頭がフワフワする






.

志摩side





2人が戻ってきたところで、3人でメロンパン号に戻る









階段を降りながら伊吹と話すが、今のところ解決策が見当たらない。








伊吹「えー。
志摩ちゃ〜ん、何とかしてぇ?」

『丸投げかよ』

伊吹「じゃあ!水森殴っていい?」

『ダメだ!!』











そこで、明日からは3機捜のヘルプだから学校に寄って話くらい聞けるだろと伝えると、
犬がしっぽを振っているように嬉しそうにした伊吹。









伊吹「志摩ちゃん?」

『なんだ』

伊吹「うえーい」

『懐くな!行くぞ』






進もうとした、その時




背中に誰かぶつかった




『すみま、ってあなた?』

佐野「、、、はい」

『ちょ、ベロベロじゃねーか。どんだけ飲ませたんだよ!』

伊吹「あなたちゃん、グラスの3分の1も飲んでないよ!?」

『え?』

佐野「志摩さぁーん、、」







今にも眠ってしまいそうな彼女が抱きついてきた







『うぉ、大丈夫か』

佐野「だいじょ、…」

伊吹「ぶじゃないね?」

『こんなに酒弱いなんて、』










彼女を抱き抱えてメロンパン号に乗せて、そのまま分駐所まで車を走らせた










歩けそうになかった彼女に水を飲ませたくて、伊吹に取りに行って貰った。

その間、眠ってしまいそうな彼女を頑張って起こし続ける







『寝たらダメだぞー』

佐野「なんでですかぁ、」

『酔い覚ましてから寝ないと、具合い悪くなるぞ』

佐野「はぁい、、」









はぁ、こっちは理性保つの必死だってのに、、








.

あなたside







志摩さんに起こされ続けながら、頑張って立とうとするけど力が入らない



何とか意識だけは保とうと頑張っていた








志摩「あなた、酔ってるもんな」

『はい、?』

志摩「忘れるかな、覚えてるかな、」

『ん?』

志摩「どっちでもいいけど。」

『??』

志摩「今だけは忘れないで」








メロンパン号に寄りかかる私に、壁ドンをして近付いてくる



もう片方の手で、私の顎を軽く上に向ける









志摩「忘れないといいな、なんて」




そう言って、唇を奪われた
伊吹さんとは違って、大人だった。






志摩「ふふ、無理すんなよ、」





そう言って頭をポンポンと撫でた。

一瞬で、酔いなんか覚めてしまった










数分後、伊吹さんから水を貰って飲んだ。

分駐所に入って仮眠室へと連れられ、2人は仕事の時間になったら起こすから、と言って部屋を出ていった。








眠れないだろうと思っていたのもつかの間、

眠気がどっと襲ってきて、気付いたら眠っていた。

























作者です。
いつもご覧くださる皆様、本当にありがとうございます!
お気に入りやいいねが増える度に喜んでいる作者でございます笑

いきなりですが、お知らせです
私事ではありますが11月いっぱいは更新をストップさせて頂きます。
これはもうひとつの作品も同様です。

忙しくてお話を書ける時間が確保できないため、お休みを頂きます。

帰ってきた時は、また読んでくださると嬉しいです
これからもよろしくお願いします!

以上、作者でした

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