第22話

恩師
959
2021/01/05 05:37
あなたside










伊吹さんの恩師、蒲郡さんのお家にお邪魔すると、そこにはベトナム人の男性がいた。


これは、今まで必死に勉強してきたベトナム語を実践的に使うチャンス、、、?





『xin chào』(こんにちは)

「xin chào
Bạn có thể nói tiếng Việt
Thật đáng khích lệ」
(ベトナム語話せるんですね。心強いです)

『đã học.
Tôi vẫn còn nghèo』
(勉強しました。まだ拙いですけれど

「Thật tuyệt vời.
Vậy thì, tạm biệt
Tôi hi vọng được gặp bạn lần nữa」
(凄いです。では、さようなら。
また会えるといいです)







伊吹「す、っげー、」

志摩「まさかこんなにも上達してるとは、」

『初めて実際に現地の方とお話できて、いい経験になりました!』

伊吹「あなたちゃん、マジで凄かった!」

『あ、ありがとうございます』

志摩「これからも勉強頑張れよ」

『はい!』







話せたことよりも、何よりも

“心強い”

そう言ってくれたのが、嬉しかった。

そのために自分は、必死に勉強してきたのだ。







これからはもっと多くの人の、支えになってあげたいな。













志摩「あの、足大丈夫ですか?」

蒲郡「あぁ、あれは家内の。
半年経つのに忘れられなくて」

志摩「そうでしたか、」








『もう刑事では無くなったんですか?』

蒲郡「もう辞めようかと思ってる。もうボロボロなんだ。体もここ(頭)も。」

伊吹「何言ってんすか〜まだまだ若いでしょ〜」

蒲郡「霧がかかったように、ぼやけるんだ。
もう麗子の笑った顔が思い出せない。

…あれ、何を聞きに来たんだっけ」

伊吹「…前、堀内伸也って人、担当したことあったでしょ?」

蒲郡「あぁ、堀内か。
あいつは人懐っこいやつだった。」

志摩「堀内に、ギャンブル癖はありましたか?」

蒲郡「…」

伊吹「…?」

蒲郡「…!
思い出せないな、」

伊吹「ちょ、ガマさ〜ん!今めっちゃいいとこ!笑」








.



志摩「ガマさん、ただの物忘れでは無さそうだな」

『そうですね。』

伊吹「え、何で?」

志摩「あなたは気付いたか?」

『はい。薬、ですよね?』

志摩「あぁ。俺の叔父さんが飲んでたのと同じだった。」

『私のおじいちゃんも、飲んでました。』

伊吹「え、何?なんの病気?」

志摩「脳血管型認知症。
頭の中で小さな脳梗塞が繰り返し起きて、認知症と同じような症状が出る。」

伊吹「それ、治るの?」

志摩「まぁ、五分五分といったところだ。」

『私のおじいちゃんは、治りました。
でも、……』

伊吹「…でも?」

『…』

志摩「あなた?」

『…はっ!ごめんなさい!大丈夫です、』

志摩「そっか、」

伊吹「…」








危ない危ない。今思い出しちゃいけない。
今は、事件の操作に集中しないと。








今は、思い出す時じゃない。































作者です!
ベトナム語の所、アプリで翻訳したので多分合ってるはずです!

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