第20話

10年間
1,074
2020/12/16 09:15
あなたside










ガチャ





3人で48番のトランクルームに入る
滅多に換気をしていないからなのか、臭いがきつい。






『っ、、』

志摩「無理しなくていいぞ」

『いえ、大丈夫です、』

伊吹「無理そうだったらすぐ言って?」

『はい』







トランクルームの壁には、犯行からの日付。




志摩「ここで時効を待ってたんだな。」

伊吹「10年、、
なぁ、志摩ちゃん、あなたちゃん。
10年あったら、何ができるかな」

『私が勉強してるベトナム語がペラペラになりますかね』

伊吹「そうだね、」

志摩「プロの料理人」

伊吹「いいね」

志摩「世界中の刑事ドラマ全部見る」

伊吹「いけそう。
俺が奥多摩に飛ばされてから、機捜に呼ばれるまでが、10年。
10年間誰かを恨まず、腐らないでここまで来れて本当に良かった。

さっさと犯人とっ捕まえようぜ?」

『はい!』









志摩さんと目を合わせた。
伊吹さんの過去はあまり分かってないけど、
何かあったのは間違いない。

気になるけど、今は捜査に集中しないと。






〈警視庁から各局。〉

ここで入電。
陣馬さんが追いかけてる大熊がハサミを持って逃走中だそうだ
私たちは急いでメロンパン号に乗り込んだ






志摩「あっ、」

伊吹「ん?」

志摩「メロンパン頼んだの、ここに持ってきてもらう予定だったけど、」

伊吹「…志摩ちゃん?✨」

『でも今は事件が優先でーす』

伊吹「そうだね、ごめん!太郎!」

『太郎じゃないですよね、笑』





カネスギ商店街の近くに行くと、目の前で陣馬さんが走っている。その前には大熊と思われる人物。




目の前で陣馬さんが転んだ。
これは逃げられる、、、!








メロンパン号を止めて、2人が陣馬さんを車に乗せている間、私は大熊を追いかけた






無線から2人の声が聞こえる






志摩〈ちょ、お前何してんだ!〉

『逃げられちゃうので追いかけてます!』

伊吹〈追いかけてるのは分かるけど!!〉

陣馬〈ハサミ持ってんだぞ!?〉

『大丈夫です!任せてください』







みんなの忠告も聞かずに必死に追いかける。
伊吹さんほどでは無いが、足には自信がある。
だが、なかなか距離は縮まらない。





すると、目の前で出前太郎の自転車と服を盗み、逃走しだした







『ちょ、太郎さん大丈夫ですか!?』

太郎「太郎じゃないです、」

『あ、』






伊吹さんが太郎って呼ぶから!!!恥ずかしかったじゃん!!///



その時、メロンパン号が追いついた



伊吹「太郎!?やっぱり太郎だ」

陣馬「知り合いか?」

志摩「いや、出前の、」

伊吹「しっかりしろ太郎!!!」

太郎「だから、太郎じゃないです。」

『すみません、何回も、、』

太郎「あ、いえ、笑」






大熊は出前太郎の服装で逃走中。
糸巻さんに連絡して、スパイダー班に大熊を探してもらうことに。








.


大熊の居場所がわかり、メロンパン号で向かう。

自転車に乗っていた大熊の前の道を塞ぐようにメロンパン号を停めた





陣馬さんがハサミを持っている大熊と対峙している所へ合流した





陣馬「危ないぞ!下がってろ」

『大丈夫です!』





とは言ったものの、さすがにハサミを持っている相手には適わなくて。
振り回したハサミが頬を掠り、少しだけ血が出た。






陣馬「銃刀法傷害罪。手加減すんな」

伊吹「はーいよ」

志摩「俺らの大切な人傷つけたんだ。」

伊吹「タダで済むと思うな、」







陣馬さんは私をメロンパン号に避難させ、1機捜に応援を頼むよう命じた。





『機捜404から応援要請。
指名手配犯、大熊邦彦は凶器を手にしている。
至急、応援要請!』




陣馬さんをかばって頬に傷を負うくらい、どうってことないんだけどなぁ、、、

でも、さっきのふたりはいつもと違う雰囲気だった。正直に言うと、怒ってる。






.


大熊を取り押さえることができ、応援で来た1機捜の人達に署に連行してもらった。

ひと段落着いたな、と思いながらその様子を見ていたら、急に肩をガっと掴まれた







『えっ、』

伊吹「なんで!なんであんなことしたの!?」

『へ?』

伊吹「危なかったじゃん!怪我もしてるし!!」






充血した目で私を見つめながら話す伊吹さん。



ぎゅっと抱きしめられ、耳元で呟かれる






伊吹「ほんとに、心配した、、無事でよかった、、、」

『ご、ごめんなさい、』

志摩「あなた、」

『はい、』

志摩「正直今回は俺もめちゃくちゃ焦った、
もう二度と、こんなことしないで。もっと俺ら頼っていいから。」

『はい、ごめんなさい、、』

伊吹「ううん、大丈夫。
あなたちゃんが無事。生きてる。俺らのそばにいる。それだけでいいよ」

『ふふ、ありがとうございます』




ちょっと怒られちゃったけど、
ふたりが心配してくれてなんだかすごく嬉しかった。

2人のこと頼ってない訳じゃないんだけど、
なんか先走っちゃった。ごめんなさい、、

隊長にも怒られちゃうかなぁ、、












その後きんぴらと倉田さんの未来も決まって、ジュリさん達のパフォーマンスも見れて!!

なんだか充実した一日でした✨✨












伊吹「隊長?あれ、志摩見て」

志摩「ん?隊長??」

『どうしたんですか?』










隊長の様子がおかしい。



桔梗〈3人とも、急いで私の家に来て欲しい。〉

伊吹「了解っす」







なんだか、嫌な予感がする。

ハムちゃんに豊くんに桔梗さん。
何かこれから、最悪の事態になるんじゃないか、、、

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