第19話

にゃんにゃん
1,115
2020/12/14 09:00
志摩side













伊吹は、俺があなたの事を好きだとわかった時、めちゃくちゃ驚いていた。
俺はお前があなたのこと好きだって気付いてたよ。どんだけ鈍感なんだよマジで。
ウブなのかこいつは。恋愛未経験者か??








でも、伊吹は俺に暴露してから
より一層彼女に構うようになった。

取られたくないんだろうな。
俺もだけどさ、





けど、俺らには強敵がいるんだよ。








九重「伊吹さん近いです」

佐野「おっ、と、、世人」

伊吹「え〜今いい感じのフインキじゃなかった!?」

九重「フインキじゃなくてフンイキです。」

伊吹「また始まったフインキ魔人!」

佐野「あの、世人は発音の話してるんですよ?」

伊吹「…発音?」

九重「今更気付いたんですか?」

伊吹「え、わかんない何の話!?」

佐野「あれ、わかってない、、」

九重「諦めよ、」










彼女には、俺ら3人のことがどう見えてるんだろうか










.

伊吹side





さすがにさ、志摩もあなたちゃんのことが好きだって聞いた時は驚いたけど!
でも相棒だからって譲れない。







って言いながらも俺進展できねーんだよな、、、恋愛ってムズムズする、、、


早く告白すればいい話なのに、
できない。











ここまで人を好きになったのは初めてで、
それがこんなに難しいことだなんて思ってなかった。





彼女の家に泊めてもらった時、彼女のファーストキスを奪った時


あのときに言おうとした言葉を、止めなければ

“好きだ”って伝えられたのにな。








佐野「伊吹さーん行きますよ!」

『はーい』







今日も元気な彼女と、志摩と、3人で密行に向かう。




.
あなたside









今日のお昼ご飯はなんだろ、





『今日お昼ご飯なんですか〜?』

伊吹「楽しみにしてて〜」

『なんだろう、、』

志摩「うどんだろ?」

伊吹「うどんは休み。401も休み。」

『陣馬さん、大丈夫かなぁ、、、』







「こんにちは〜」

伊吹「ありがとー!!」

『メロンパン、、』

伊吹「うん!メロンパン9個〜」

「ありがとうございました」

『お疲れ様でしたー』

伊吹「はーいありがとー!」

志摩「お疲れ様」









伊吹さんが写真を撮って麦さんに送る。
ハート付きのメッセージに喜んじゃってさ。


なんか胸がキリキリしたのは、知らないふりをした。






仲良くメロンパンを食べようとした、その時。






〈警視庁から各局。
トランクルームにて男性の遺体発見との入電。近い局捜索願いたい〉

伊吹「機捜404から1機捜本部。我孫子橋から向かいます、どうぞ」

〈1機捜了解。〉

『メロンパン〜〜』




食べたかったのに…








.



伊吹「機捜404
初動捜査入ります」






トランクルームにあった男性の遺体。
自殺、、?






猫砂が撒かれてて、ハンガーで首をつられている。








「近くでトランクルームの利用者を発見しました」

所轄「うちらは、山中誠治を当たります。」

所轄「ここはよろしくお願いします」

『あ、はい。』

伊吹「所轄やる気ねーな」

志摩「あいつらは自殺だと思ってるんだろうな。」

伊吹「志摩は?あなたちゃんは?」

『はい、?』

志摩「伊吹は?」

伊吹「俺は、ただの自殺とは思えニャイ。ニャンかのにおいがする。きっとニャンかある!」

志摩「奇遇だな。俺もただの自殺とは思えない。」

伊吹「はい、やり直しー」

『ん?』

伊吹「そこは、ただの自殺とは、思えニャイ。」

志摩「そこまで合わせる気は無い。行くぞ」

『ふふ、思えニャイ〜〜』

伊吹「あなたちゃんきゅるきゅる、、」

志摩「バカ」

伊吹「いてっ!」










.



スウ「なんかあったの??」

『うん、、ちょっとね、』

モア「ねね!刑事さんお腹すいた!帰っていい?」

伊吹「いやダメでしょ!」

スウ「えぇー、、、」

『はい、これ』

「「メロンパン!」」

伊吹「えぇ、、楽しみにしてたのに!!」

志摩「また頼め。」

ジュリ「なんなの?さっきから。
警察こそちゃんと情報を教えてください」

志摩「あの中で、人が殺されてたんです。
真面目にご協力ください。」







こんなにやりにくい事情聴取は、初めてだった。












.




7番の隣の、8番のトランクルーム。
ここに、誰かいる気がすると言い出した伊吹さん。

ジュリさんも反応してるから、多分いるのだろう。






ガチャ


志摩「警察だ
大人しくでてこい。」

伊吹「幽霊ちゃん〜隠れても何もいいことないよ〜」

『出てきてお話聞かせてくださーい』










伊吹「居ないね」

『いないですね。』

志摩「お前の気のせいなんじゃないか?」

伊吹「ふふ、ニャンつって!」













チャックの向こうから、1人の男性。


伊吹「こんにちはー」









.

倉田さんは、悪い人じゃなさそうだし。

糸巻さんから送ってもらったデータから、
指名手配犯であることがわかった。






『あ!!!』

「「ん?」」

『この人どっかで見たことあると思ってました!』

志摩「知ってるのか?」

『交番に張り出されてた、指名手配犯のポスターに、この2人組!いました!』

伊吹「あぁ!!!俺も見てたわ!!」

志摩「まじか。」

伊吹「陣馬さんが追ってるのも、指名手配犯。」

志摩「あっちも指名手配犯、こっちも指名手配犯。」

伊吹「指名手配犯が偶然たまたま同じタイミングで見つかったぁ??」





突然、志摩さんが走り出す。






志摩「あの、部屋の中にレシートってありましたか?」

「はい、」

志摩「見せてください」

『魚肉ソーセージ、ここにも、こっちにも。』

志摩「中にフィルムは落ちてましたか?」

「いえ、」

「『それだ!』」

伊吹「え、なになに。2人で勝手に話進めないで?」

志摩「あの事件、落ちていた魚肉ソーセージのフィルムに付着していた唾液から、大熊のDNAが検出された。」

伊吹「魚肉ソーセージはきんぴらじゃなくて大熊の好物!」

「『それにゃ!』」

伊吹「にゃぁ〜〜!!!」









伊吹「健さんが住んでたトランクルームと同じ契約者」

志摩「部屋番号48!」

『ここに大熊が住んでた!』

プリ小説オーディオドラマ