志摩side
伊吹は、俺があなたの事を好きだとわかった時、めちゃくちゃ驚いていた。
俺はお前があなたのこと好きだって気付いてたよ。どんだけ鈍感なんだよマジで。
ウブなのかこいつは。恋愛未経験者か??
でも、伊吹は俺に暴露してから
より一層彼女に構うようになった。
取られたくないんだろうな。
俺もだけどさ、
けど、俺らには強敵がいるんだよ。
九重「伊吹さん近いです」
佐野「おっ、と、、世人」
伊吹「え〜今いい感じのフインキじゃなかった!?」
九重「フインキじゃなくてフンイキです。」
伊吹「また始まったフインキ魔人!」
佐野「あの、世人は発音の話してるんですよ?」
伊吹「…発音?」
九重「今更気付いたんですか?」
伊吹「え、わかんない何の話!?」
佐野「あれ、わかってない、、」
九重「諦めよ、」
彼女には、俺ら3人のことがどう見えてるんだろうか
.
伊吹side
さすがにさ、志摩もあなたちゃんのことが好きだって聞いた時は驚いたけど!
でも相棒だからって譲れない。
って言いながらも俺進展できねーんだよな、、、恋愛ってムズムズする、、、
早く告白すればいい話なのに、
できない。
ここまで人を好きになったのは初めてで、
それがこんなに難しいことだなんて思ってなかった。
彼女の家に泊めてもらった時、彼女のファーストキスを奪った時
あのときに言おうとした言葉を、止めなければ
“好きだ”って伝えられたのにな。
佐野「伊吹さーん行きますよ!」
『はーい』
今日も元気な彼女と、志摩と、3人で密行に向かう。
.
あなたside
今日のお昼ご飯はなんだろ、
『今日お昼ご飯なんですか〜?』
伊吹「楽しみにしてて〜」
『なんだろう、、』
志摩「うどんだろ?」
伊吹「うどんは休み。401も休み。」
『陣馬さん、大丈夫かなぁ、、、』
「こんにちは〜」
伊吹「ありがとー!!」
『メロンパン、、』
伊吹「うん!メロンパン9個〜」
「ありがとうございました」
『お疲れ様でしたー』
伊吹「はーいありがとー!」
志摩「お疲れ様」
伊吹さんが写真を撮って麦さんに送る。
ハート付きのメッセージに喜んじゃってさ。
なんか胸がキリキリしたのは、知らないふりをした。
仲良くメロンパンを食べようとした、その時。
〈警視庁から各局。
トランクルームにて男性の遺体発見との入電。近い局捜索願いたい〉
伊吹「機捜404から1機捜本部。我孫子橋から向かいます、どうぞ」
〈1機捜了解。〉
『メロンパン〜〜』
食べたかったのに…
.
伊吹「機捜404
初動捜査入ります」
トランクルームにあった男性の遺体。
自殺、、?
猫砂が撒かれてて、ハンガーで首をつられている。
「近くでトランクルームの利用者を発見しました」
所轄「うちらは、山中誠治を当たります。」
所轄「ここはよろしくお願いします」
『あ、はい。』
伊吹「所轄やる気ねーな」
志摩「あいつらは自殺だと思ってるんだろうな。」
伊吹「志摩は?あなたちゃんは?」
『はい、?』
志摩「伊吹は?」
伊吹「俺は、ただの自殺とは思えニャイ。ニャンかのにおいがする。きっとニャンかある!」
志摩「奇遇だな。俺もただの自殺とは思えない。」
伊吹「はい、やり直しー」
『ん?』
伊吹「そこは、ただの自殺とは、思えニャイ。」
志摩「そこまで合わせる気は無い。行くぞ」
『ふふ、思えニャイ〜〜』
伊吹「あなたちゃんきゅるきゅる、、」
志摩「バカ」
伊吹「いてっ!」
.
スウ「なんかあったの??」
『うん、、ちょっとね、』
モア「ねね!刑事さんお腹すいた!帰っていい?」
伊吹「いやダメでしょ!」
スウ「えぇー、、、」
『はい、これ』
「「メロンパン!」」
伊吹「えぇ、、楽しみにしてたのに!!」
志摩「また頼め。」
ジュリ「なんなの?さっきから。
警察こそちゃんと情報を教えてください」
志摩「あの中で、人が殺されてたんです。
真面目にご協力ください。」
こんなにやりにくい事情聴取は、初めてだった。
.
7番の隣の、8番のトランクルーム。
ここに、誰かいる気がすると言い出した伊吹さん。
ジュリさんも反応してるから、多分いるのだろう。
ガチャ
志摩「警察だ
大人しくでてこい。」
伊吹「幽霊ちゃん〜隠れても何もいいことないよ〜」
『出てきてお話聞かせてくださーい』
伊吹「居ないね」
『いないですね。』
志摩「お前の気のせいなんじゃないか?」
伊吹「ふふ、ニャンつって!」
チャックの向こうから、1人の男性。
伊吹「こんにちはー」
.
倉田さんは、悪い人じゃなさそうだし。
糸巻さんから送ってもらったデータから、
指名手配犯であることがわかった。
『あ!!!』
「「ん?」」
『この人どっかで見たことあると思ってました!』
志摩「知ってるのか?」
『交番に張り出されてた、指名手配犯のポスターに、この2人組!いました!』
伊吹「あぁ!!!俺も見てたわ!!」
志摩「まじか。」
伊吹「陣馬さんが追ってるのも、指名手配犯。」
志摩「あっちも指名手配犯、こっちも指名手配犯。」
伊吹「指名手配犯が偶然たまたま同じタイミングで見つかったぁ??」
突然、志摩さんが走り出す。
志摩「あの、部屋の中にレシートってありましたか?」
「はい、」
志摩「見せてください」
『魚肉ソーセージ、ここにも、こっちにも。』
志摩「中にフィルムは落ちてましたか?」
「いえ、」
「『それだ!』」
伊吹「え、なになに。2人で勝手に話進めないで?」
志摩「あの事件、落ちていた魚肉ソーセージのフィルムに付着していた唾液から、大熊のDNAが検出された。」
伊吹「魚肉ソーセージはきんぴらじゃなくて大熊の好物!」
「『それにゃ!』」
伊吹「にゃぁ〜〜!!!」
伊吹「健さんが住んでたトランクルームと同じ契約者」
志摩「部屋番号48!」
『ここに大熊が住んでた!』
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。