とうとうその日が来た。
いつも目覚ましがなければ
起きる事のできない私が今日だけは
自然と目が覚めた。
s.kさんとの待ち合わせ時間は13時。
それなのに準備が終わったのは8時頃で
自分が緊張してる事を肌で感じる朝だった。
もう一度鏡で自分を確認して、
家を出た午前10時。
電車に揺られてカフェにつくまで、
私の胸の高まりが収まらなかった。
s.kさんと待ち合わせた時間は
13時なのに、12時についてしまった。
まだ1時間。でもたった1時間。
アイスコーヒーを飲みながら
一体どんな人が来るのか想像していた。
ピロン
"「こんにちは。
もうすぐ、カフェに到着します。
もう、着いてますか?」"
時計はいつの間にか12:50分を指していて、
s.kさんが到着するにはちょうどいい時間だった。
急いで、メッセージを返す。
"「こんにちは。
カフェの窓際の一番奥の席で待ってます。
ちなみに、服は花柄のワンピースです」"
"「了解です。」"
心臓はバクバクで、
出会い系サイトの人と本当に会っちゃうんだな。
なんて考えて、
目の前にあるアイスコーヒーを見つめた。
その時だった
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。