第2話

出会い②
14
2021/06/29 22:21
春輝side

今日は朝から大雨だった。
地面に激しく雨水が音を立てて次々と落ちてくる。
今日、オレはクラスでの日直があり早めに学校へ行き様々な準備をしなければならなかった。
一人で行ってもつまらないと思って真琴を誘った。
初めは嫌だと言っていたもののオレが粘ったら仕方なく、という感じで着いてきてくれた。
クラスへ荷物を置き職員室へ向かい先生にプリントとか沢山のものを渡された。

昇降口近くの廊下を2人で話しながら歩いていると前に女の子がいた。
春輝
春輝
(こんな朝早くから学校にいるんだな...あの子も日直か何かかな?)
真琴
真琴
春輝〜お前日直なんてサボっちゃえよ〜
春輝
春輝
え〜?いいじゃんいいじゃん!てか、サボっちゃったら相手の子に申し訳ないだろ?
真琴
真琴
だからって俺を誘うなよな!?
真琴には悪いがオレは適当に返事を返した。
すると前の子がちらっとオレたちの方を見た。
オレは息が止まるかと思った。
あんなに可愛い子がうちの学校にいるんだな、と。
オレがちょっとの間見とれているとパッと前の方を向き早足で教室のある方向へと行ってしまった。

時が止まっていたような感覚に陥って居たけど彼女が居なくなってからハッと現実に引き戻された。
春輝
春輝
ねぇ、前の子って同じ学年の子?あんな可愛い子いたっけ?
すると真琴は
あぁ、水瀬さんのことか??
と言いながら話し始めた。

どうやらさっきの子は水瀬さくらさんと言うらしい。
学校1美女ということで有名だと話された。ちなみに同じ学年で1年生。
オレら2人は1組だが水瀬さんは3組らしい。
落ち着いた性格だと真琴は話していた。
真琴
真琴
周りからは猫、なんて呼ばれたりするみたいだぞ?
春輝
春輝
え、猫...?
真琴
真琴
うん、雨嫌いで集団行動が苦手、人見知り、ツンデレ。
この要素って確かに猫って感じだよな。雰囲気的にもそんな感じするし、下手したら猫の耳としっぽ見えてくるぜ(苦笑)

逆に春輝は
いっつも元気だし人懐っこいし。誰に対してもデレデレ。
...お前は犬か(笑)

そう考えると春樹と水瀬さんって性格正反対なんだな。
真琴はオレをジロジロと見ながら言ってくる。
言い返したくもなったが確かに真琴の言う通りでもあるのかもしれない。
教室に入り窓を開けたりしてみんなが来るのを待った。
でもオレは1つ引っかかることがあった。
春輝
春輝
ていうかお前、なんでそんな水瀬さんに詳しいわけ?
ずっと、気になっていた。
彼氏でもないのになんでこんなにも水瀬さんのことを知っているのか。
前の席にいる真琴を突っついた。
真琴
真琴
はぁ?逆になんで春輝は知らなかったんだよ。
かなり有名だぜ?水瀬さんの噂って。

...つーかなんだよ。嫉妬か??一目惚れか??
オレは言葉に詰まった。
別に一目惚れなんてしてないと思う。嫉妬だってしてないだろう。
多分...。

徐々にクラスメイトが増えていき
HRが始まった。
外を見ると雨が大合唱を奏でていた。

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