第3話

普通の毎日
11
2021/06/30 13:44
さくらside

朝のHRが終わりみんながそれぞれの時間へと入っていく。
私は1時限目の準備を終え、この前買った小説を開いた。
周りは賑やかなはずなのに私の耳には本のページをめくるパラパラっとした音しか聞こえない。
私は昔からひとつの事に没頭すると周りが見えなくなったり聞こえなくなってしまう。
少しの間小説にひたっていると隣の席に誰かが座ったような気がしてふと顔を上げると仲のいい友達が座っていた。

梓
さーくらちゃん!おはよ!
さくら
さくら
あ、梓ちゃん。おはよ。
私の隣の席に座ったのは私と仲のいい梓(あずさ)ちゃん。
手に持っていた本二栞を挟み本を机の上に置いた。
すると梓ちゃんが口を開いた。
梓
そーいや、もうすぐ期末テストだよ!
ひぇぇ...やばいよ〜!!
さくら
さくら
あれ?そうだっけ?
梓
まさか忘れてたの!?
目を見開きながら梓ちゃんが言った。
えぇ!?提出物も終わってない感じ!?ちょっ提出物類見せてよっ!と言われたから一応持っていたものを全て出した。
梓
えぇ...!お、終わってる...!?
さくら
さくら
ん、終わってたか
ずるーい!いいなー!
と喚いている梓ちゃんの隣へ仲のいい2人がきた。
舞
さくら、はよ!
あはは、梓ウチも一緒だから安心しな!
夢乃
夢乃
さくらちゃん、おはよう。
もう提出物類全部終わったんだね!すごいよ!
さくら
さくら
おはよ、2人とも。
気づいたら終わってただけだよ(苦笑)
少しの間3人で話をして居るとあっという間に1時限目の授業へと進んでいた。

私は頬杖をついて外を見ると雨は止んでおらず、逆にもっと勢いが強くなったようにさえ見えてきた。
憂鬱な気持ちを抑え黒板へと目線をずらしひたすら板書を写すことに頑張った。


あっという間に時間が過ぎ今はもうお昼休み。
うちの学校は昼食からお昼休みまでのじかんが45分間あり昼食の時間帯は決まっていないためその45分間の間であればいつ食べてもいい、ということになっている。
友達と一緒に食べていれば15分〜20分くらいはかかるのでちょうどいいくらいかな、と思っている。

私は今、梓ちゃん、舞ちゃん、夢乃ちゃんの4人といる。
もうお昼は済ませてしまったので残り20分ほど時間が余った。
いつもなら教室で話をしているはずなのに今日は梓ちゃんが

部活今テスト前で休みになってて体全然動かせてないの!

と言うことだったから体育館に来ている。
梓ちゃんはバスケ部の部員である。
お昼休みは体育館で遊んでもいいらしく様々な生徒が利用している。
梓ちゃんは体育館倉庫からバスケットボールを取り出し入口近くのゴール下で早速シュート練習を始めた。

舞ちゃんと夢乃ちゃんは用事があったのを思い出したらしく職員室へ行ってしまった。
私はバスケが得意という訳ではないから見てるだけ、と言って体育館の端っこで見ていた。
奥の方に目を向けると奥は男子が使っているらしく賑わっていた。
中でも1番と言っていいほど目立っていたのは颯水春輝くん。
試合をしているのか「パスパスっ!!」という声も聞こえてくる。
床をうちつけるバスケットボールの音が体を伝ってくる。

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