第29話

死と絶望の凶神
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2019/09/26 13:21
あらすじ

ザガロに一度殺され、ミカエラの死神の力で
霊夢の救出に行く魔理沙。
辿り着いた空間には霊夢の生前の姿の
リンダという少女がいた。リンダは、
マリオ達に会いたくて仕方がないと
泣き出すが、魔理沙が優しく慰め、
リンダの思念を浄化し、見事
霊夢の意識を取り戻した。
そして、霊夢と魔理沙の絆は
より強く、固くなった。

ーーーーーーーーーーーー

魔理沙「霊夢、体、大丈夫なのか?」

霊夢「貴方のお陰ですっかり回復したわ」

ミカエラ「どうする霊夢?お前はザガロに
負け、試練は終わってしまったじゃないか。
試練を続けるには、ザガロを見つけて
倒すしかないぞ?ザガロは今、死と絶望の神
と化してしまった。今までよりもずっと
恐ろしく、醜い姿になっている。その姿を
見る覚悟はあるか?お前の好きにするといい。」

霊夢「当然、ザガロを倒すわ!」

ミカエラ「そうか、お前ならそう選ぶ
と思っていたよ。」

霊夢「そして、マリオが待ってるから…!」

???「残念ながら君がマリオと戦う
事は出来ない、この私が始末するのだからな!」

光の空間から現れたのは、マリオ達に奇襲を
及ぼしたブラウ・グランブルー、ザガロの兄だ。

ミカエラ「ブラウ…..!」

ブラウ「ミカエラ・ユーフォリアス、
貴様、何故生きている?私が成敗して
やったはずだぞ。」

ミカエラ「あの程度で死ぬほど私
は柔じゃないぞ?」

ブラウ「……チッ…折角、悪が一つ
滅んだと思ったのに。」

紫「貴方、何を言っているの?成敗だとか
悪だとか、意味がわからないわ?」

ブラウ「私は、シャインギルドの神、
全ての善を統べる者だ。」

早苗「ミカエラさんは悪い人じゃない!」

ブラウ「博麗霊夢と霧雨魔理沙を
殺しかけた時点で何処が悪を否定する
要素がある?どの道、ダークネスギルドは
存在が悪そのものだ、シャインギルドこそが
全人類、全妖怪を善に仕向ける正義の存在……。」

霊夢「さっきから悪悪うるさいわよ、
一つの世界を何の根拠もなく勝手に
悪と見做しているあんたの方がよほど
悪と言えるわよ?」

ブラウ「闇は人の心の弱い部分に住み着き、
蝕む、今の人間界を見てみろ、あんなに
汚れた人間しかいない。くだらない事で
争い、泣き、笑い、悲しむ愚かな
あんな世界はもう不要だ。だから、
この私が新しく作り変える!ダークネスギルドも
人間界も、そして幻想郷も!」

紫「聞き捨てられないわね?」

紫はブラウを睨みつけ、扇子を突き立てる。

ブラウ「ほう?楯突くか?」

紫「幻想郷は消させないわよ、
貴方如きに!」

魔理沙「世界を自分の都合で作り変えようと
してる時点で何処が偉いんだよ!お前の
やってることも全然変わんねーだろ!」

ブラウ「黙れ!私は神だ、神の理は絶対、
お前達人間風情が神に敵うはずない!」

魔理沙「さっきから神神うるせぇな、
お前なんかコテンパンにされて
ペラペラな紙にでもなってろバカ!」

次の瞬間、ブラウは眉をピクッと動かして
スペルカードを取り出す。

ブラウ「そうか……少し痛い目に合わない
と理解できんのか……。」

魔理沙「スペルカード発動!
恋符『マスタースパーk」

ドカァ!

ブラウ「グハァ!」

何者かがブラウを殴り飛ばした。その
正体は、黒髪で結膜が赤い黒服のザガロだった。

霊夢「!ザガロ!?なんで?」

魔理沙「お、おい、なんかこいつ変だぞ?」

ザガロ「……....。」

ブラウ「お、お前.........何という醜い姿を!」

ザガロ「グォォォォォォォォォォ!」

ザガロは叫び声をあげ、仰向けの状態の
ブラウを突掴み、上に持ち上げ、
勢いよく蹴り飛ばした。

ブラウ「おい、私がわからないのか?
目を覚ませザガロ!」

早苗「ちょ、ちょっと、誰かぁ!」

???「無様だな、笑える光景ですねぇ?」

皆「!」

紫「ルイージ!?」

ルイージ「あんな仕打ちをすれば、
当然そうなるさ、だから光世界は馬鹿だ。」

霊夢「あんなって何よ?」

ーーーーーーーーーーーーーー

ブラウ『何故、ダークネスギルドの仲間に
などなったのだ!せっかく生きていたことが
わかって嬉しいというのに!』

ザガロ『僕を殺しかけておいて何
言ってんだよ!』

ブラウ「それは悪かったと思っている!
だから戻って来い!また私達で世界を
造り替えようじゃないか!」

ザガロ『グゥゥゥゥゥゥゥ………アァァァァ
ァァァァァァァァァァァァァ!!』

そして、今のような姿に変貌した。

ブラウ『な、なんだ!?』

ザガロ『アァァァァァァァァァブッコロシテ
ヤル!ブッコロシテヤル!』

そのまま、ブラウを何度も何度も
殴り、蹴り、弾幕を大量に投げて
ブラウを撃退した。

ーーーーーーーーーー

ルイージ「ザガロは、怒りや憎しみを最大限
までに感じると、あんな姿になるそうですが?」

魔理沙「そりゃ、自分が正しくないと
気がすまなくて歪んだ愛情を持ってる兄じゃなぁ……」

ブラウ「ええい!出来損ない!
待っていろ、力づくでも連れて行く!」

光の空間でブラウは一時退却した。

ザガロ「アンナクソミテェナ世界ニ
帰ッテタマルカ!」

ザガロはもう既に声色も顔も普通ではない、
完全に凶暴な化け物と化してしまっている。
今は理性の欠片も何一つない。

霊夢「ちょっと、暴れるのは大概に
しなさい!でないと退治するわよ!」

ザガロ「俺ニ負ケタヤツガデカイ
口ヲ叩クナ!」

霊夢「はぁ…何を言っても無駄みたいね、
いいわ、今度こそあんたを倒す!」

ザガロ「邪魔スル奴ハ全員殺ス!」

霊夢「スペルカード発動!
神化『夢想変化』」

金の衣装を纏って走り出し、
ザガロの頭目掛けて飛び蹴りを食らわせた。
しかし、ザガロは一切動じず、そのまま
霊夢の足を掴み、空高く投げつけ、
スペル宣言を行う。

ザガロ「スペルカード発動!
憎悪『デッドリーデストラクション』」

赤いカッター状の弾幕を二つ
投げつけ、霊夢の至近まで来たら
拡散させ、全て命中させて地面に強く
叩きつける。

霊夢「だ、弾幕ニ発だけでこんなに強い…..!」

霊夢はゆっくり立ち上がり、スペル宣言
をするが……

パシィ

霊夢「いたっ!」

ザガロは試練の時と同じように
スペルカードを弾き飛ばした。

魔理沙「彼奴また!」

霊夢は一旦距離を置いてからまたスペルカード
を取り出す。

霊夢「スペルカード発動!
乱舞『飛翔桜吹雪』」

ピンク色の弾幕を螺旋状に放ち、
命中させてザガロの動きを封じた。

霊夢「スペルカード発動!
霊刀『夢想斬撃』」

二本の刀は両手に持ち、刃に炎を纏い、
ザガロに向かって走り出し、クロスの
を描くように切りつける。

ザガロ「ガァァァァァァァァ!!」

ザガロ「スペルカード発動!
表裏符『リバース・リベンジ』」

ザガロは霊夢の攻撃を受けつつ、
一切よろけずに霊夢に光線を撃つ。

霊夢「くっ.......!」



アロエ「…....ザガロ…ごめんな.....あんたが
辛い目に遭ってたこと知らんかった....!」

ルイージ「……...墜ちたものだな、ザガロも....
自分の力も支配できず、怒りや憎しみに
逆に飲み込まれ、今に至る….....それでも
人間如きに手こずってるなんて。」

膝を落として泣き崩れているアロエを
ルイージは一喝した。

ルイージ「見ているだけで何もしないのか?
仲間なら助ければいいんじゃないですか?
君は一番ザガロにお世話になってるでしょ、
少しくらい恩を返してやってもいいんじゃない
ですか?これだから人間は嫌いなんですよ。」

アロエ「ルイージ.......。」

ーーーーーーーーーー

ブラウ「.......そうか、その小娘が邪魔を
しているのか......私達の兄弟愛を。」

はるか上空からザガロ達の戦いを見下ろして
いるブラウはアロエ目掛けて白い光線を
放とうとし、こう言う。

ブラウ「死ね」

次の瞬間

ドスっ

鈍い音に反応して皆は一斉に
発生源に注目する。
そこには、心臓を撃ち抜かれ、左胸と
背中から血を流して倒れてるアロエがいた

ザガロ「..........!!」

ザガロは、突然震え上がり、両手で頭を抱えて
左右に激しく振り、黒く不気味なオーラが
ザガロの周りに渦巻き始め、身体中に
ヒビが入り、赤い中身が剥き出しになり、
やがて完全に真っ赤に染まったザガロの体は
巨大な蛇の形に変貌した。以前とは違い、
金色の甲殻は、黒くなり、青も黒、
腹と目は紅く変わっていた。

ザガロ「ガァァァァァァァァァァァァァァ」

ザガロ「スペルカード発動!
炎道『ファイヤーロード』」

霊夢達を炎で囲み、口から炎の道を
吐き出す。前のファイヤーロードより
熱が増して彼女たちのダメージが激しい。

霊夢「これじゃ前と同じじゃない!」

紫「くっ.......」

早苗「そんな!?」

魔理沙「霊夢......クソォ!」

炎が目の前まで迫ってきたとき、
何者かが飛び出した。

スパァ

そして炎の道を断ち切り、
霊夢達を呆れたように見つめる。

ルイージ「何をやっている?この程度の炎
なんざ簡単に始末できるでしょう?」

霊夢「うるさいわね、できるなら
やってるわよ!」

ザガロ「.......ルイージ.....テメェ.....!」

ルイージ「これ以上放っておくと、
自分達の地方にも被害が出ますからね。
少し黙らせてあげましょう。」

ザガロ「ガァァァァァァァァァァァァァァァァァ」

ザガロは叫びと共に、ルイージに向かって
炎を吐いた。しかし、ルイージは一歩も動かず
にそのまま受け切った。

ザガロ「ナニィ!!」

ルイージ「その程度ですか?」

炎を浴びたルイージは火傷一つなかった。

霊夢「凄い.......」

魔理沙「どんだけ強固なんだ!?」

紫「鉄壁だわ......!」

ルイージ「スペルカード発動!
闇球『ダークサテライトエナジー』」

ルイージの周りに黒い弾幕が
大量に纏わりつき、ルイージがザガロに
指を指すとそれに従うかのように、
ザガロに向かって飛んでいって
全弾命中した。

ザガロ「グゥゥゥ......」

早苗「効いてます!」

魔理沙「あいつ、あんなに強かったのか!」

ルイージ「スペルカード発動、
怨符『アンリミテッドヴェノム』」

続いて弾幕を放ち、反撃の隙を与えない。

ザガロ「スペルカード発動!
死符『デッドシュート』」

ルイージの弾幕を振り払い、
紅い4つの魔法陣から黒いビームを放つ。

ルイージ「ぐっ......!」

ルイージは防御態勢を取るも、
防ぎきれずに後退する。

ルイージ「スペルカード発動!
氷爪『アクセルクロー』」

両手から氷の詰めを生やし、
それを振り下ろし、ザガロにホーミング弾を
飛ばす。すると、ザガロの体はみるみる凍って
いき、動きが鈍くなる。

ザガロ「グォォォォ........」

ルイージ「スペルカード発動!
恋符『マスタースパーク』」

マスタースパークを放ち、ザガロに命中させると
氷が砕け、ザガロは地面を抉れながら飛ばされた。

ルイージ「.......ま、予想通りの結果ですね。」

次の瞬間


ザガロ「スペルカード発動!
爆炎『エクスプロージョン・ノヴァ』」

ルイージの頭上に巨大な魔方陣が現れ、
黒み帯びた七色の炎のレーザーが発射された。

ルイージ「ウォォォォォォォォォォォォォォ!」

ルイージは絶叫して倒れた。見ていた彼女達
はルイージを案じて駆け寄る。

魔理沙「ルイージ!」

ルイージ「.....馬鹿....死にたいか....!!」

早苗「でもこのままじゃルイージさんが!」

紫「いくらあなたでも無理よ!」

霊夢「一旦逃げるわよ!」

ルイージ「おい.....お前達、危ない!」

皆「!?」

皆が気づいたときにはもう遅かった、
なぜなら、とどめを刺そうとするザガロが
目の前にいるからだ。

ザガロ「死ネェェェェェェェェェ!」

紫「駄目!境界でも間に合わないわ!」

ザガロは口からレーザーを出し、
霊夢達を消し飛ばそうとしたその時だった。

???「スペルカード発動!
次元『ディメンション・ホール』」

また何者かがきて、皆を次元の空間に
入れて避難させた。

霊夢「あ、あなたは!」










皆「マリオ!!」


続く

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