第22話

知る由もなく/woozi
9,262
2021/02/05 17:26




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woozi
woozi
で、呼び出した理由は?




一生懸命ご飯に向き合いながら
顔もあげずそう言った



仕事終わりに近くの飲食店に呼び出したのは私





個室席の向かいに座るのは

物心着く頃からいつも一緒にいた弟のようなジフナ





わたしたちは所謂幼馴染という間柄




驚いたことに職場もお互い近くて
仕事帰りにご飯を食べに行くこともしばしば





me
呼び出したのはほかでもない
woozi
woozi
惚気なら聞かない





ぴしゃりと言い放たれて口を噤んだ




そういえば私に彼氏が出来てからは
あんまり会ってなかったっけ




me
違う、
woozi
woozi
じゃあなに




黙々と食べるジフナを黙ってじっと見つめていたら

彼が顔を上げた




me
実は振られちゃってさ
me
だから
今後はもう気にせずご飯行けるよ!




態とらしい笑顔だなって自分でもわかる





me
今日はその報告?というか、
うん
woozi
woozi
ほーん



まるで興味無いと言うかのように

すぐ視線は目の前の真っ白いお米に落ちた




いつも通りなジフナ

なんだかそれに安心する自分がいる




me
あー、スッキリした



箸を持ち直して再びご飯を口に運ぶ


今日は焼肉にして正解だった





でもきっとジフナのことだから、今日はお前の奢りなって言うんだろうな…






仕方ないと腹を括ってまた一口、


焼けたお肉とご飯を頬張る









woozi
woozi
あなた、


急に名前を呼ばれて顔を上げると


真っ直ぐに伸びてくる彼の腕





me


戸惑って何も出来ずにいると


その少し骨張った指が口元に触れた




優しく、撫でるように




woozi
woozi
ついてた
me
っ、言ってくれたらいいのに



指で掬ったご飯粒をそのままぺろ、っと口に入れる




視線が一瞬合った


けど、思わず逸らした





ちょっとだけ心臓が煩い





woozi
woozi
ふっ、
me
…なにさ
woozi
woozi
この間まで彼氏居たのに
これくらいで照れんの?
me
ジフニには関係ないでしょ、
woozi
woozi
ほーん




そう言うと箸を置いて徐に席を立つ




me
どうした
woozi
woozi
ほんと鈍感だよな



ゆっくりと横まで来てしゃがみこみ、私の前にある机に手を着く




いま、壁とジフニに挟まれてる状況



だめだ

頭が混乱してきた




me
えっと、
woozi
woozi
あなたに彼氏ができる度
すごい嫌だった





そう言うと、机に着いた反対の手で


そっと私の髪に触れた








私よりも低い声、

いつの間にか追い越された身長、


筋肉がついて太くなった肩、腕…





弟みたいだとずっと可愛がっていたけど


こんな近くにいると嫌でも男なんだと感じる




woozi
woozi
ずっと見てた、傍で
woozi
woozi
あなたのこと
me
っ、
woozi
woozi
俺のとこに来て









知る由もなく、

( 甘い言葉とは裏腹に )









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