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第1話

花苑学園
18,014
2021/02/25 16:28
ここは、花苑学園(はなぞのがくえん)
さまざまな分野で優秀な人しかこられない。
入試試験などはなく、才能がある人か運が良い人しかはいれない。
そんな学園には、特別な授業がある。
抜き打ちの保健体育の実技。年々子供が減る中で政府が出した政策の一つである。小さな頃から性と向き合ってるいれば大きくなった後でも性と親しみをもっていられるという、なんとも分からない話だが、この学園はその政策に法り授業を行なっている。
今日もまたどこかのクラスで保健体育が行われようとしている、、。

キーンコーンカーンコーン
鳴り響くチャイムの音。生徒たちは慌てて席に着く。カラカラと教室の扉を開けて体育教師が入ってくる。
「この雰囲気は…」
皆が察した。これはまさか…保健体育が実技?
「せんせぇ、今日は保健体育ですか?」
クラスの女子が聞く。先生が頷いて付け足した。
「今回の実技は少し違うぞ。自慰についてを学ぼうと思う。」
ザワザワとする教室。先生はまだ喋り続けている。
「最後まで聞け。今回は自慰だが、女子が男子を、男子が女子を性行為なしでイかせるんだ。」
よくこの教師は淡々とこんなことを言えるな、と皆感心した。それよりも皆辺りを見渡していた。
(いったい誰とペアになるのか…)
そこが気になって仕方がなかった。状況を察したのか先生が口を開く。
「あー、今回の実技のペアはくじだ。出席番号1番から順番にひけ。」
くじが入った箱を先生が見せる。ひとりずつ順番に取りに行く。
「よーし、一斉に開け。番号を見た奴は箱にくじを返せー」
くじの番号を見つめる。誰が相手になるのか…
全てがこのくじの運命に委ねられていた。皆がくじを返しにいくと先生がペアを順番に発表しだした。皆怯え、どきどきしていた。

水瀬 舞羽(みなせ まいは)もそのひとりだった。
この学園に来たのは去年。運良く入学を許可された。それから毎日楽しい日々を送っていた.が、この実技になると違う。普段あまり男子と関わることのない水瀬だが、ここでは沢山関わることになる。正直わくわくしている部分の方が大きかった。さあどうなるか…。水瀬は11番をひいた。誰とペアになるのか…。
先生がついに11番について発表した。
「11番とペアは8番」
8番…。8番の子を探す。誰が…

「ねえ、水瀬さん11番?」

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