第2話

準備
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2021/02/26 18:17
「ねえ、水瀬さん11番?」
その声に水瀬は振り返る。そこにはクラスメイトの湯崎 誠(ゆざき まこと)がいた。湯崎はクラスの地味なマッシュルーム眼鏡だ。そんな湯崎がペアだなんて。水瀬は若干落ち込みながら
「うん」とこたえた。
先生がペアの発表を終えた後、先生が言いにくそうに言った。
「あーえっとだな、今女子の中でできない奴はいるか?」
あれだ…。女子の………。
皆、周りを見回す。手を上げる者はいなかった。
「よし、大丈夫みたいだな。みんな自慰の方法はわかるよな?」
応える者はいなかった。いやいるはずがない。
先生は不機嫌そうに続けた。
「もし、わからない奴がいれば先生のところに来い。じゃあ各自開始」
先生の言葉で一気に緊張が走る。水瀬はちらりと湯崎の方を見る。湯崎は冷静だった。その冷静さを保ちながら言った。
「水瀬さん、どっちからする?」
そんなセリフをよく平然に言えるな、と思いながらもこたえる。
「ど、どっちでも大丈夫だけど。湯崎くんはどっちが良い?」
この返しが1番困るパターンかも、と言った後に思った。湯崎はこたえた。
「んー、じゃあ俺からで…やってくれる、?」
控え目な言い方だった。水瀬はこたえる。
「うん!どうしたら気持ち良くなるとかわからないけど、がんばるね。」
水瀬は少し頬を赤らめた。周りを見るともう始めている人もいた。
それを見た湯崎が切り出す。

「じゃあ…始めようか」

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