第8話

僕を満たせるのは君だけ
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2021/03/08 10:00
(み、水瀬さん…かわいすぎかよ。)
いきなり押し倒しても抵抗しないし、むしろ感じてくれてる。。
湯崎は興奮する。硬くなった下を水瀬に押し付ける。水瀬はびっくりしたような顔をしたが、すぐに元に戻った。湯崎は思う。
(挿れたい。。いやでもダメだ。ゴムもないし授業で少ししかやったことないし…)
湯崎はもっと水瀬を感じたかった。この手で犯している…そんな気分だった。
そんなことを考えていると急に電話の音が響く。水瀬の身体がびくっとする。
部屋に備え付けてある電話だった。もう時間だろうか。と思いながら湯崎は名残惜しそうに立ち上がり受話器をとる。
『お時間まで残り10分ですがどうなさいますか?』
湯崎はちらりと水瀬の方を見る。水瀬と目が合う。湯崎は電話口の店員に言った。
‪「30分延長で」
店員はわかりました、と言い電話を切った。
湯崎も受話器をおく。水瀬の方を見る。水瀬は戸惑った顔をした。が、水瀬は乱れた服を直しながら言った。
「なんか、1曲歌う?」
湯崎は考える。せっかく水瀬さんが言ってくれている。…のにも関わらず満たされない性欲が湯崎の中に残る。水瀬を愛したい。この手で。その…愛を感じて欲しい。この叶えることの出来ない苦しみに耐えながら湯崎は口を開く。
「ちょっと曲決めてて。電話きた。」
と鳴ってもいないスマートフォンを手に取り、部屋を出た。部屋を出ると扉の前に座り込む。
荒い息を吐く。今すぐこれを…処理したい。下を見る。情けなく膨らんだズボン。水瀬との感触を思い出す。ますます勝てない性欲が湯崎を襲う。少しして湯崎を立ち上がった。部屋に戻り水瀬に告げる。
「水瀬さん、ごめん。親から帰ってこいって電話きちゃったから…お金はここに置いとくね」と机に置き、水瀬の返事を待たないで湯崎は部屋を出た。鞄で必死に下半身を自然に隠しながら家に向かう。家に着く。ガチャと扉を開ける。家の中は静まり返っていた。誰もいない。ただただ静寂な世界が広がっていた。湯崎は真っ先に自分の部屋に向かう。鞄を放り投げ、ベッドに倒れ込む。心臓がばくばくと暴れる。
必死に押さえ付けながら今日のことを振り返る。
(水瀬さん…僕のことどう思ったかな)
普段、クラスではまったく喋らない2人だった。が、今回のことでかなり距離が縮まった気がする。そんなことを考えているとガチャと扉が開く音がした。
「お兄ちゃん、帰ってるー?」

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