廉
にぃが休み時間謝りに来た
僕は無理に謝ってることがすぐに分かった
何年兄弟やってると思ってるん?
そんなんバレバレやで?
やから、僕は無理に謝らんでいいと言った
ここで海人とは分かれる
そして、今日は神くんの家に泊まる
神くんを待たしてるという思いで、自然と足が早くなる
ガチャ
にぃはまだか…
必要なものだけ取る
横を向くと神くんがいた
ガチャ
神くんの家は両親があまりいない
共働きで、二人とも相当エリートやから夜遅くに帰ってきて朝早くに家を出ると前に神くんから聞いた事がある
何言ってるん?神くん
嘘…
神くんにはなんでもバレてまう
でも、家にお邪魔してんのにここで泣いてしまったらもっと迷惑をかけてしまう
と両手を広げる神くん
僕はいつもそうや
神くんに甘えてしまう
今やって神くんの胸に顔をあて泣いてしまっている
にぃに言われた言葉が蘇る
思い出したらもっと悲しくなってまう
マイナス思考の僕をプラスにしてくれるのはいつも神くんと海人
それに僕はいつも甘えて結局にぃに迷惑をかけてるんや
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!