第57話

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2019/11/30 23:23
勇太







俺の初恋は廉だった


廉『じんくん、じんくん!いっちゃや!』


物静かで誰とも喋らなかった俺は友達なんか出来なかった


そんな時に引越しに来たのが平野家


まだちっちゃい廉は親に抱っこされ紫耀は今と同じように無愛想に挨拶をした


神母『よかったら紫耀くんや廉くんと一緒に遊んでもらってもいいですか?』


平野母『え!いいんですか?』


神母『うちの子物静かで友達が出来なくて…』


平野母『そうなんですか、うちの紫耀もね廉に甘々で他の子には冷たいんですよ』


なんて母親が喋っていると


紫耀『廉は渡さへん』


と俺に近づいてきた紫耀がそう言った


廉『にぃ?』


平野父『お、廉起きたか』


廉『にぃー!』


紫耀『廉!』


なんて言ってハグをする光景をぼーっと見ていた俺


平野母『廉、このお兄ちゃんにご挨拶して?』


廉『ぅー』


この頃から廉は人見知りだった


紫耀の背中に隠れて大きな目をうるうるさせていた


『神宮寺勇太です、よろしくね』


廉『ぼく、れん…しゃんしゃい』


これが廉達と初めてあった時の話


それから遊ぶ度に廉達と仲良くなって、家に帰るってなると廉は嫌!って俺の手を離さなかった


廉『じんくん、じんくん、いっちゃや!』


が廉の名台詞みたいなものだった


紫耀『廉、今日の晩御飯カレーなのに帰らんの?』


廉『いや!たべるのー!』


なんて物に負けたことも何回もあった


それから2年後、


廉『僕じんくんと結婚する!』


平野父『うぇ!?』


紫耀『はぁ!?』


『え?』


平野母『あらまぁ』


神母『あらあら笑』


紫耀『廉!俺と結婚するんやろ?』


廉『じんくんと結婚するー』


『じゃあ10年後にね』


まぁその時の廉は結婚って言うのがなんなのかも分からずにただ覚えたからそれを使いたかっただけ


だけど廉は俺にだけ1年間も言い続けた


廉はどんどん綺麗になっていった


俺が廉を好きになったのはいつかは分からない


いつの間にか好きになっていたんだ

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