すいません今回めちゃくちゃ長いです!💦お時間ある時に読んでください🙇♂️
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腕を引かれるまま移動したのは空き教室のひとつ。だがそんな先生の表情は何故か曇っていて。
大きな圧に詰めよられ、俺はそう弱々しく対抗する。
先生が告白されてたから、やり返しのつもりであの店入ったなんて………、言ったら嫌われるかな。
───────仕込み?急な展開についていけない。
先生曰く、あの告白のみは仕込みで、場を沸かせるための催しだったようだ。
───────頑張った?
先生が珍しく、少し気恥ずかしそうにしながら発したこの言葉。この場合良い意味にも悪い意味にもなりうる所為で余計に不安が募る。
………………大丈夫だよね、?
盛り上げ役をサボって外に出ていたことを告白すると、叱りよりも目に見えて落胆した先生。いまいちよく分からないのだが、肝心な言葉を聞けていないので今はそちらが気になってしょうがない訳で。
______なんて言ったんですか、告白の返事。
─────この言葉が聞けた瞬間、全身に張りつめていた緊張が解け脱力するのを感じる。
それだけじゃない。先生の当たり前のように言った''もちろん''という台詞が何よりも嬉しかった。
今日は本当に感情の上下が激しい。明日一日回れないって、…………それじゃあもう回れないじゃん。
____今の時刻は午後5時を過ぎた頃。一日目の終了時間はもうすぐなので今日はあまり回れないとなると………明日一日も回れない為にもう時間がない。
──────訳も分からぬまま返事をしたのだが、これはお誘い……であってるよな?
放課後も先生といれるという事だろうか。
………それは凄く嬉しい。
明日回れない分、今日たくさん先生といよう。
取り敢えず文化祭終了まで約1時間ほど。適当に時間を潰そうと、彪雅達をさがしに教室を出た。
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こちらへ耳を傾けずにあっちゃんの方へ向かっていく彪雅。さっきの優太先生もだけど、なんかあったの?損したってどういうこと………。
考えても一向に分からないが、都合の悪いことではなさそうだったので取り敢えず以降は考えないよう努めた。
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──────結局、全然無理だった。
悪いことじゃないとしても、やっぱり一度気になるとどうしても気になってしょうがなくて。
………………それにやっぱり、優太先生に会いたい。
今まであっという間に過ぎていたはずの一時間だが、優太先生に会えないこの一時間はとてつもなく先が長いように感じた。
____思わぬ会話に、つい動かしていた脚を止めた。
最後までしっかり聞き取れなかったものの、確実に聞こえてきたのは優太先生というワードだったからだ。
ここは自分のクラスの目の前、ちょうど告白ステージの司会などを終え休憩に入っていたところなんだろう。何人かのクラスメイトの話し声がしていた。
反射的に教室の中に入ると、やはり今の話題は先程の告白ステージでの優太先生の話題だった。
けどやっぱり、どういうこと?
皆が口を揃えて言う、何か。……さっきの、先輩が企画していたメイド喫茶に来客していた人達の話題と同じことを指しているのだろうか。……………だけど、そうすると感想が合わない。向こうはキュンキュンしたとか凄かったとか言ってたのに、こっちはショックって。一体どっちなんだ。
……………ただ、少なくとも何組もあった告白の中でどちらも大きく話題に出ているのは優太先生の時のこと。
………………優太先生、何か言ったの?それかもしかして、告白を断ったとはいってもなにかしらあったのかな。優太先生の事が大好きなこのクラスメイトが、ショックを受けるような何かを。
……………はぁ〜。
_________逃げないで、聞いとけばよかった、
後悔の念に駆られていたのでまさか見れるとは思っていなく、食いつくようにその譲ってくれたビデオを見つめる。
………………だけど正直、嫌な予感しかしない。
俺はどっちかって言ったらこのクラスメイトと同じ立場。………じゃあ絶対、俺もショック受ける事になるじゃんか。
どうか、何事もなく大丈夫でありますように。____
一度深呼吸をして覚悟を決めたあと、恐怖半分、興味半分の謎にそわそわした気持ちで、優太先生の告白シーンまで再生バーを動かした。
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────────流れ出した1時間ほど前の体育館の様子。…ここまでは知ってる。この時点で優太先生がステージ上にいて、俺が勝手に嫉妬して丁度体育館を出る前あたりの出来事だ。
だけどこの先は、知らない。___________
見事な少女漫画ばりの展開に会場は大盛り上がり。この瞬間を見たくなくて逃げたはずだったんだけど、今重要なのはここでは無い。
この、____後だ。
_______まさに、開いた口が塞がらない。
優太先生から聞こえたのは、「好きな人がいる」という言葉で。
生徒から先生への告白。断ることは概ね予想出来ていたであろうが、そこからのまさかの展開に観客含め生徒たちは皆、大きな衝撃を受けたようだった。
____そしてそれはもちろん、俺も例外では無い。
_________これは、期待してもいいのかな。
_________''ずっと一緒にいたい。''
これを聞いた瞬間、体の底から全身の血が吹き上がるような感情が追い寄せてきた。
そしてこの時点で恐らく、この告白ステージ1番の盛り上がり。先生の恋愛事情は、生徒も皆気になるところなのだろう。まあまさかその相手が生徒だとは誰も思っていないのだろうが。
……………………いやてか、そんなことよりも。
なにこれ、なにこれ。
こんなん、聞いてない。
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教室を飛び出て、保健室ではなく空き教室へと走る。
今にも、心臓が爆発しそうなくらいに音を立てている。顔も、今までで一番と言っていいほど真っ赤になっているはずだ。
________だって、あんなん言ってたなんて知らなかった。
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ここにきて、先程先生が言っていた事を思い出す。
もしかして、これの事だったのかな。
そりゃあもちろん、あのステージで俺への本気の告白なんてしたいと思ってくれていたとしても出来る訳がない。
…………………だから先生は、あの場で出来る精一杯を、最大限の伝え方をして見せてくれたのだろうか。…………あれだけ俺が望んだから。
好きな人にされる事がこんなにも幸せなんて。
ガラッ)
正直、こうして話せる存在がいるのはとても嬉しい。
────────ここから放課後になるまでの約一時間、抑えきれない喜びを混じえた惚気話を、ひゅうがは呆れながらも全て聞いてくれたのだった。
───────そしてちょうど話したいことを全て言えたあたりで、事務を終えた優太先生が教室に入ってきた。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!