お待たせしすぎました、そしておまたせしすぎたせいで季節めっちゃ過ぎててごめんなさい😭
後編は1週間以内に上げれるように頑張るので是非待っていてください!🙇♀️🙇♀️↓↓↓↓↓↓
______時は流れて、もうすぐバレンタインという季節がやってきた。
去年までは、俺はまさに数え切れないほどのチョコを貰い受けてきた。直接渡されることもあれば、いつの時代なのか靴箱に溢れ出るほど詰められている事も。
まあ俺、モテるし。
だけど、俺はそのチョコとやらのお返しを今までした事がない。あんな量返してたらキリが無くなるし、単純面倒くさかったから。
だからキラキラボーイ(自称)を演じてた時は、もので返さずその言葉だけで満足させていた。
………まあおれ、モテるし。
_____だけど。
今年は訳が違う。今年の俺には、優太先生がいるから。
誰に貰ったかも覚えてないからわざわざ事前に断りに行くことなんてないけど、もう他のやつのはいらない。
今年は俺から、優太先生にあげたい。貰う側じゃなくて、あげる側になりたいんだ。
______そう、結局あの後はもしかしたらと期待する展開にはならず、そのまま朝を迎えた。
まあ、あそこでそういう風になっていたとしても俺が耐えられないから無理だけど。
まあどちらにせよ、この立場上で付き合う事すら制限している優太先生が一線を越えてくる訳が無いのだ。仮にいい雰囲気になったとて、絶対に最後までする事だけはないんだろう。それはそれでなんか寂しいけど、お互いのためにも今はまだこれでいい。
ただ、そう。俺は別に''最後まで''することは無かったと言っただけだ。
だから実は、本当の意味で何もなかった訳では無く。
そう、めっちゃ、キスされた。優太先生に。
別に、キスはこれが初めてという訳では無い。だから、今回がそこまでの大きな進展という訳でもない。
だけど、いつもより余裕が薄れていた先生に、ベッドで、あんなことされたら流石にやばかった。
結局次の日熱移す羽目になったし。
バレンタイン当日まではまだ少し期間がある。
だが、世の女子は準備が凄いと聞いたしモタモタもしていられない。
早速今日から、と予定を指定しながら、俺はるんるんで授業を終えたのだった。
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全ての時限を終え、放課後になったとほぼ同時にひゅうがの元へと走った。
今の俺のやる気だけは世界一だ。
この時の俺はまだ優太先生にあげたい一心。
とにかくやる気に満ち溢れておりまさに気分は最高潮だったのだが。
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買い物の段階から大体の予想はしていたのだが、開始早々頭を抱える展開に呆れる。
_____今はお菓子作りの最中で、見事に大失敗しているやまとを隣で眺めているところだ。
彼が作ろうとしているものはマカロンだそう。お菓子作り大の初心者のくせして最難関のお菓子を作ろうとしてしまっているところからもうお菓子作りを甘く見ているのが丸わかりだ。
現に今のやまとの進展と言えばもはや無い。
材料調達の時点からまずどこに何が売っているかを理解していないし、とりあえずあればいっか精神で次々にカゴに商品が積み重なっていくしで。
いざ作ろうとなっても、普通の人なら絶対に使わないであろう容器で卵をとき始めた時にはもう勝手に帰ってやろうかと思った程だ。
………だけど、ここまで新しいことに挑戦して張り切っている彼を見るのは新鮮だし、その努力は認めてやってもいい。ということで、俺は今隣の椅子に座って都度アドバイスを入れているのだった。
口出しだけで手伝っていないのは、やまとにそう言われたから。まあ結局開始早々助け求められてるけど。
____そう、全くもってイメージに合わなさ過ぎるかもしれないが、俺は料理やら何やらが人よりは得意な方だ。
今言ったように、小さい頃から兄の影響で触れる機会が多かったし、自分で作れるようになりたくて何度も練習したことだってある。
その能力を生かし、大飛やあつきが家に遊びに来た時には軽く料理を振舞ったりもしていた。だからそれを近くで見ていて知っていた大飛が今回俺を頼りにしてきたと言う訳だ。
やまとの波乱なお菓子作りは今日は失敗に終わった。まあそりゃあそうだ。
そして明日は何をねだろうかなぁなんて、色々企みながらこの日はコンビニに寄って帰ったのだった。
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ひゅうがに教わったポイントやコツを事細かくメモに書き写しながら、試行錯誤を繰り返す。
_______お菓子作りにチャレンジしてから数日。未だ納得のいくものは全くもって完成出来てない。
ほんとに、舐めすぎてた。なにこれ難しすぎるでしょ。
ひゅうがに言われ、慌てて近くのカレンダーを確認すると今日は13日。もうバレンタイン前日を迎えていた。
毎日放課後、家庭科室にこもり練習していたつもりではあったが、それが逆に日付感覚を狂わせていたらしい。
まだまだ余裕があると勝手に思い込んでいただけに、これはマズすぎる。
いきなりぶっつけ本番並の緊張が襲い、思わず息を飲む。
次が最後。恐らく、まだこの感じでは自分の納得のいくものは完成出来ない。
それでも明日先生に渡してしまおうか、きっとこういうのは気持ちが大事なはずだ。
そうして、やってきた最後のチャンス。もうどうにでもなれと挑んだのだが。______
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あれから数時間。やはり、結局自信を持って渡せる完成度のマカロンは出来なかった。
まだ若干潰れているし、マカロン特有の「ピエ」と言われる部分も少し不規則で綺麗に見えず、絶妙な出来映えだ。
ひゅうがってほんとに頼りになる男。
今日の大量の失敗作は明日友達にでもあげるかと冷蔵庫にしまい、先生喜んでくれるかなーなんて呑気に考えながらそのまま帰宅した。
そしてこの時はまだ、優太先生の女子人気をすっかり忘れており明日波乱が起きることなんて知りもしなかったのだった。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!