第44話

危険信号
5,982
2022/09/11 06:29
約1ヶ月以上空いて本当にすいません🙇‍♂️
お待たせ致しました😌

















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やまと
やまと
ねぇ〜ひゅうがー、。
ひゅうが
ひゅうが
……どーした、笑
朝まではえぐいぐらいハイテンションだったのに。……イカみたいだな。
やまと
やまと
いやなんだそれ












こうして俺が呼ぶ時は大抵が相談事というのを彪雅は知っていて、またかと呆れるようにしながら答えた。
確かに、これは日常茶飯事。
だけど俺は、今相当深刻な問題を抱えているのだ。




















やまと
やまと
いやさぁー、ちょっとメンタルやられそう。
ひゅうが
ひゅうが
なんで?












やまと
やまと
なんかさ、先生に避けられてる。



ひゅうが
ひゅうが
…………え、?笑



















──────今日一日の俺の感情は、最高潮から最低までと天地の差での往復を続けていた。もちろん最高潮は、あの文化祭を思い出す度に訪れるのだけど。



だけど、お昼をすぎたあたりである今は、まさに「最低」。
それは何故か、彪雅に言った通り先生に避けられているからだ。傍から見たらあまり変化はないように思えるだろうが、俺からしたら一目瞭然。思いが通じあってからは見たことがなかったその距離に思い悩み、結果的にここまで気分が落ちているという訳だ。








やまと
やまと
文化祭終わってから、普通に会話とかはするけどなんか…………
ひゅうが
ひゅうが
うん、俺には普通に見えるけど、笑
やまと
やまと
いーや!絶対違うね!
ひゅうが
ひゅうが
じゃー文化祭の時何かあったのか?
やまと
やまと
んーと。


















やまと
やまと
(…………あ、)












やまと
やまと
……っそれは秘密。へへ、……///





ひゅうが
ひゅうが
……きも。嬉しいのか悲しいのか分かんねぇ変顔だな。
やまと
やまと
いや変顔は失礼だろ!?
この顔面にそれは!
ひゅうが
ひゅうが
いやそんな顔してるから嫌われたんだろ、
はいはい失恋おつー笑
やまと
やまと
おいやめろそんな訳…!

……っいやあんのかな、?
ひゅうが
ひゅうが
…馬鹿かw



やまと
やまと
ねぇーやだ!ひゅうが助けて!!
ひゅうが
ひゅうが
はいはーい
やまと
やまと
ねぇ!!
ひゅうが
ひゅうが
リア充カップルの喧嘩なんか付き合ってられるかよw
やまと
やまと
…………。









やまと
やまと
…もーいい、あっちゃんに聞く。
やまと
やまと
あつきどこ…………あ、



























今日は彪雅が珍しく話に応じてくれないので、ターゲットをあつきへと切り替えた。だがそんなあつきを探すため教室を見渡すと、教卓のそばにはあっちゃんともう一人、話題の優太先生が。

そしてこの流れだったらもしかしてと一片の望みをかけてそちらへ向かったのだが。










やまと
やまと
……っあっちゃーん。
あむぎり
あむぎり
……ん?おぉやまと!どーしたの?
ゆうた
ゆうた
……、






ゆうた
ゆうた
じゃーあつきまた後で話すわ。
次の授業の資料取ってくるー
あむぎり
あむぎり
はーい
やまと
やまと
っ、……

















やまと
やまと
……ほら、やっぱりじゃん、。
あむぎり
あむぎり
……やまとどーした?笑
梅干しみたいにしおれてるよ、
やまと
やまと
ねぇさっきからそーやって何かに例えんのやめて?



やまと
やまと
ってかそんなことじゃなくて。
やっぱ俺さぁ、せんせーに避けられてんのかな。
あむぎり
あむぎり
え、急になんで?文化祭めっちゃ嬉しそうにしてたじゃん。
やまと
やまと
その後だよ、
あむぎり
あむぎり
あとー?










俺は、あっちゃんにも同様に悩みを話した。
あっちゃんも朝までの俺のテンションを見ていたので、やはりそんな事になっているとは思わなかったようだ。まあそりゃそうだよな、俺だってそう思ってんだもん。

















やまと
やまと
……けど、理由が分からない。
あむぎり
あむぎり
うーん、、
やまと
やまと
助けてあっちゃん〜、
あむぎり
あむぎり
……笑笑








あむぎり
あむぎり
じゃあ、押してダメなら引いてみる作戦でもしてみたらどう?












やまと
やまと
なにそれ?
あむぎり
あむぎり
やまともちょっとだけ優太先生から離れてみるの
やまと
やまと
え、無理
あむぎり
あむぎり
おい笑
じゃーもう知らないよー
やまと
やまと
…え、
あむぎり
あむぎり
自分で頑張りなー
やまと
やまと
っは、ねぇまって!それも無理!
あむぎり
あむぎり
じゃあどーすんの、笑笑
やまと
やまと
…ぅ……








あつきから提案されたのは、押してダメなら引いてみる作戦。

でもそれって俺が優太先生から距離を置くってこと?普通に無理だろそんなの。本当だったらずっとくっついていたいぐらいなのに。

だがそんな思いも虚しく、先生との距離はいまだ縮まらず。そしてあつき曰く、距離を置いてみるという方法が今すべき最善らしい。
経験少ないあっちゃんに言われてもな…なんて強がるが、これで仲直り出来るなら致し方ないかと渋々受け入れることにした。
……いやまあ喧嘩した覚えは一切ないけどね。?












やまと
やまと
……じゃあやってみるよ、
あむぎり
あむぎり
うんうん、笑
やまと
やまと
けどこれでなんか嫌なことあったら死刑な
あむぎり
あむぎり
いや勘弁して 笑









こうして俺は、今にも彼の元へと勝手に向かっていきそうな足を何とか抑えながら、死ぬ気で優太先生から離れるよう努めた。















だが。___________


















─────────────────────────




























やまと
やまと
いや全っ然ダメなんですけど!?
あむぎり
あむぎり
え、?笑
やまと
やまと
効果あるどころか、俺から行かないせいで少しも先生と話せてない!っもう死ぬ!
あむぎり
あむぎり
あちゃー、作戦失敗っ!
やまと
やまと
おいあつきお前のせいな!?これで優太先生が、大飛来ないしもういいなってなっちゃったらどうすんだよ!!
あむぎり
あむぎり
なにそれww








押してダメなら引いてみる作戦。_______
結果、効果は全然無し。あるどころかより先生と話す時間が減ってしまっている現状だった。












あむぎり
あむぎり
けど、ほんとに効果ないのー?
やまと
やまと
ない!全然無い!
やまと
やまと
先生、話さなくても全然余裕そうじゃんか、、



















ひゅうが
ひゅうが
ゆーていつもお前からだろ
やまと
やまと
っあ、彪雅ー
ねぇもう無理だ、いっそのことわざと体調崩して先生に保健室連れてってもらおーかな…。
プールに飛び込んでみるとか絶食するとか……、
ひゅうが
ひゅうが
いや馬鹿か迷惑かけんなw
やまと
やまと
っだってもう、





ひゅうが
ひゅうが
てか、案外そんなことなさそーだけどな?









やまと
やまと
……なにが
ひゅうが
ひゅうが
優太先生

ひゅうが
ひゅうが
大体先生が今保健室いるし








やまと
やまと
え?
ひゅうが
ひゅうが
体調崩すまではいかないけど、ちょっと調子悪くて休んでるんだと。
やまと
やまと
……なにそれ、聞いてない
ひゅうが
ひゅうが
まあ言ってないんだからそりゃそうだろ
本当は口止めされてたし 笑





ひゅうが
ひゅうが
……理由聞いてくればー?
いつまでもそれじゃあ変わらないぞー
やまと
やまと
…っ、












やまと
やまと
………、彪雅ありがと


ひゅうが
ひゅうが
…今日は何食おーかなー
やまと
やまと
はいはい奢りますよ
ひゅうが
ひゅうが
ういー 笑


















やっぱり彪雅は最高な奴だ。面倒くさそうにしながらも、いつもしっかり悩みを聞いてアドバイスをくれる。
奢るまでがワンセットだけどね。



───今はちょうど休みの時間帯。俺は彪雅と話したあと、そのまま保健室へ足を進めた。

















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やまと
やまと
……、失礼しまーす





やまと
やまと
…優太先生〜?













やまと
やまと
(…あそこかな、)




ドアの前にある''先生不在''と書かれた札を横目で見ながら保健室に入り全体を見渡すと、いつか見たようにカーテンが閉ざされているベッドがあった。恐らくあれが優太先生。…保健室だったら逃げられることもないし、絶対仲直りしてやる。……いやまあ、喧嘩したつもりは無いんだけどね?(2回目)
















やまと
やまと
ゆーたせんせ…




やまと
やまと
っわ!?













────グイッ















───────カーテンをそっと開け先生の名を呼ぶと、それと同時に中から伸びてきたであろう手に勢いよく腕を引かれる。俺は踏ん張ることも出来ずにそのままベッドへと倒れ込んだ。




開けた時にふわっと漂った嗅ぎ慣れた匂いからして、ここにいるのは優太先生。だがそれを完璧に把握できない程に、今俺の視界は真っ暗だった。





先生に、抱きしめられてる?____________
























やまと
やまと
っ、せんせ、?


ゆうた
ゆうた
……やまと不足で死にそう。
やまと
やまと
っへ、?










頭がまったく追いつかないまま、密閉されたこのカーテンの中の空間だけ甘い空気が漂う。
一体何が起きているのだろう。



















やまと
やまと
っせんせ、なにいって…
ゆうた
ゆうた
避けてんなよ、まじで…
流石に耐えれんわ、
やまと
やまと
っいや、避けてたの先生じゃんか!
やまと
やまと
俺だって、話しかけたいのに先生が必要最低限にしようとして逃げるから…

ゆうた
ゆうた
いやまじごめん。
…ちょっとやばそうだったから。
やまと
やまと
っなにがですか?





ゆうた
ゆうた
俺の理性
やまと
やまと
っは、


























ゆうた
ゆうた
後夜祭の後から、お前が可愛く見えてしょうがない。いつも以上に。
やまと
やまと
っ、!
ゆうた
ゆうた
実際にそれで一回襲いかけてるし。
ゆうた
ゆうた
だから、ちょっと距離置かないとまずいなって思ったんだよ。耐えられなかったから不完全な感じだったけど。
やまと
やまと
そゆ…こと、




ゆうた
ゆうた
でもそしたらやまと来なくなるし、。
ゆうた
ゆうた
てか、卒業まであと1年半とかまじどー耐えたらいいんだよ……、
やまと
やまと
っ、…//









どんどん語られていく、知らなかった先生の気持ちに顔が熱くなるのを感じる。
そんなの俺だって。______________

















やまと
やまと
俺だって、毎日好きすぎて困ってるんですよ…だから話せなくて死にそうでした。
やまと
やまと
…もー最悪襲ってもいいから避けんのはやめてください、
ゆうた
ゆうた
いやそれは駄目だわ。笑
ゆうた
ゆうた
けど、流石に俺も無理だったし距離置くのは辞める。ごめん、
やまと
やまと
……、うん、


































やまと
やまと
せんせ、





──────ガラッ









やまと
やまと
っ、!?
ゆうた
ゆうた
っ、!













生徒
せんせー怪我しましたー!
……、あれ、せんせー居ないじゃん
生徒
不在って書いてあったわ〜
生徒
まじ、じゃあまた後でくるかー
生徒
えー少しさぼろーよー?
生徒
あ、めっちゃいいやんそれ 笑










やまと
やまと
……、、やば、…
ゆうた
ゆうた
っし、
やまと
やまと
っ、…


















………………やばい、これは。































































____もしかして『保健室遭遇イベント』的な?













好きな人と保健室で二人きり、そこへ人が来て…みたいなあれだ!




本来焦るべきこの状況。そして案の定優太先生は本気で焦っている様子だったが、なぜだか俺はそんな焦りが一切ない。
優太先生とこの状況という嬉しさの方が勝ってしまっているのだ。































やまと
やまと
 やばいやばいせんせー!
やまと
やまと
 隠れなきゃだ!せんせーのベッド潜る!
ゆうた
ゆうた
いやばか!お前楽しんでんじゃねーよ!
やまと
やまと
せんせーいれて!
ゆうた
ゆうた
いや無理だわ!普通に気配消しとけ!
やまと
やまと
 ねえぇーなんでなんで!
ゆうた
ゆうた
ほんとに…!


生徒
あれ!





生徒
見ろこれ!名簿に優太先生の名前あるよ!いま居んじゃね??
生徒
っえ!じゃあ多分そこじゃん!


ゆうた
ゆうた
っ、!?
やまと
やまと
っ、!





生徒
えー寝てんのかな?
…ゆーた先生ならちょっと開けてみよーぜ
生徒
それな 笑
気になる!





ゆうた
ゆうた
(……やっべ、)

やまと
やまと
 ''っ、ほら!せんせ!''
ゆうた
ゆうた
……。





生徒
せんせー、寝てて聞いてないと思うけどあけまーす
やまと
やまと
…、っ!

ゆうた
ゆうた
 っ、!!あぁもう!



































───シャッ




























生徒
おぉーマジでせんせーいた!
ゆうた
ゆうた
……うるさいわお前ら、頭に響く、
生徒
体調悪いんすか、!
ゆうた
ゆうた
そーだ、名簿んとこ書いてあったろ 笑
てかサボんないで早く戻れー
20分くらいで戻ってくるって言ってたぞ。
生徒
えーそーだよ、優太先生いたらサボれないじゃーん
ゆうた
ゆうた
サボらせねぇわ、早く行け。笑
生徒
はいはーい
生徒
じゃーねー、せんせー
ゆうた
ゆうた
おー。、
 



























ゆうた
ゆうた
………。



やまと
やまと
……、…せんせー、













やまと
やまと
今おれ、ドキドキやばいです
ゆうた
ゆうた
いや俺は別の意味でドキドキヤバかったわ。マジで焦った…、
やまと
やまと
せんせーいい匂い。俺もうここから動きたくない、
ゆうた
ゆうた
無理、今すぐ出ろ
またいつ人来るか分からねぇから。
ゆうた
ゆうた
それに、





ゆうた
ゆうた
襲いたくなるから離れろっつってんの、忘れんなよ。
やまと
やまと
っ、…//


















やまと
やまと
おれ、ハジメテはちゃんとしたいのでここでは駄目ですっ。へへっ、
ゆうた
ゆうた
いや別にしねーから。
勘違いすんな 笑

































やまと
やまと
………、まあ、仲直り、?
ゆうた
ゆうた
…おう?
やまと
やまと
良かったぁぁぁ…

















とまあそんなこんなで、俺たちは無事に仲直りしました。






















______いや、喧嘩はしたつもりないんだけどね。


















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