ハッキリ言って、詰みました。
ユイの素直さに嫉妬してると白状しました。
そして、その後。
ユイが恋敵であると確固たる予想を立てられました。
大きなため息をひとつ吐き、ユキトは盛大に脱力する。
その脱力が、私への心配から発生した事実に申し訳なさが募ってくる。
そう言って、ユキトは切なそうな表情を浮かべている。
ユキトは本気で憂いてくれている。だけど……。
私の脳みそはどうやら思考不能に陥ってしまったらしい。
考えることを全力で放棄する方向でシフトする。
ユキトの真意が
素直になれないなら誰とも恋仲にならない or 素直になったら千載一遇の告白チャンス
という自分に向けた恋心が込められていたことに気付くのは、まだまだ先の話。
ユキトに知らず知らずに恋愛コントロールされつつ、ユイに真実を打ち明けるタイミングに悩みつつ、学園ライフを過ごす私の脳内は、まさに青春の渦中で大爆発し続けていた。
【end.】
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。