相変わらずユイの爆弾発言が気になり、ボーッとしてしまう。
そんな私に向けて、ユキトまで爆弾発言をかませてくる。
ユキトはいつもと変わらない。
まるで何事もなかったかのように平然としている。
だけど、聞き流せるはずがない。
だって、ユキトの言ったフレーズは……恋する乙女は勿論、女の子には魅惑の言葉なのだから。
『可愛い』というフレーズが恥ずかしくて言えないなんて、我ながら幼すぎる羞恥心だとは思う。
だけど、ダメージを最小限にしたくて敢えて会話から外してみたけど……。
ユキトの反応を見れば見るほど、敢えて外す方が子供染みて見えるから不思議なものだ。
『ガチ』というフレーズを言うユキトの目が笑っていない。
そして、多大な迷惑と心労を掛けた覆らない事実がユキトにあるとなると……。
行うことは謝罪一択しかないだろう。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。