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第1話

プロローグ
16
2019/02/11 09:03
ずっと誰かの特別になりたかった。
親友とか恋人とかかけがえのない人、とか。
必要とされなかったわけじゃない。
誰かは頼ってくれて誰かは大好きと言ってくれた。
でも違うの、もっと特別な関係を望んでいる私がいる。
本当は今のままで十分なはずなのに。
2人だけの秘密とか誰にも分からない、2人にしか分からない合言葉、とかが欲しかった。
だから今日も私は拒否できない。
聞こえてくる着信音を無視できない。
諦めきれない自分がいるから。
手をのばしてしまう。

「もしもし、」

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