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第1話

廃棄物な僕
僕は廃棄物だ。
会社にも恋人にもいいように使われて捨てられた。
これからどうしたらいいのかわからないまま、夜の道を泥水のようにゆらりゆらりと歩いていく。
お兄さん、お兄さん
いきなり話しかけられたのにビクッとして、恐る恐る顔を上げる。
すると、月の光に照らされた含み笑いをしている男性が目の前に現れた。
僕に話し掛けたわけがないと思って後ろを振り返ると、誰もいなかった。
いやいや、目の前のあなたに話しかけたのよ、あたし……怪しい者じゃございやせん
ちょっと話し方が特徴的な彼はふふっと笑って目を細める。
お兄さん、悩んでいるでしょ? その話、誰かにぶちまけたいと思わない?
その言葉を聞いてキャバクラのキャッチかと考えた僕はまた騙されるのかと心の中でため息を吐く。
僕
僕、今お金ないので貢げないですよ
じゃあ、場合によってはお金もらわないからさ……ちょっとお試ししてみない?
僕
お試しってなにするんですか
お話を聞かせてくれるだけでいいのよ……ねぇ、どう?
譲歩しているような口調なのに、強引な彼に圧倒されたから
僕
少しだけなら
振り回されるのは、これで最後だと信じて……僕は彼の提案に応じた。
オーケー、お兄さん……あたしにちゃあんと付いてきなさいよ
彼は僕の手を引いて、ずんずんと暗闇を進んでいった。