第28話

エピローグ
447
2019/05/04 05:39
侑李が行ったあとまた仏壇に向き直った。

こうしていると、あなたと向き合ってる気がする。
山田涼介
山田涼介
あなた……会いたいよ。俺……



……介……涼介



あなた
あなた
涼介!
山田涼介
山田涼介
え、あなた……?
あなた
あなた
もう、全然気づかなかったから
困ったんだよ
山田涼介
山田涼介
……(   ・д・   
あなた
あなた
何その顔
山田涼介
山田涼介
いや…なんであなたが……?
あなた
あなた
信じられないって……?
あなたがこちらを試すようにニヤッと笑う


これは、夢なのか?
あなた
あなた
涼介が会いたいって言ったから出てきたんじゃない。

えー(´・д・`)(´・д・`)

こんなことってある?
山田涼介
山田涼介
それはそうだけど
あなた
あなた
実はね、私の死はあまりにも急だったから
特別に神様が許してくれたの。
でも、私は1人しか会えない約束なの。
山田涼介
山田涼介
それで、俺を選んでくれたの?
あなた
あなた
当たり前でしょ?


そう言って笑う あなた。

もう涙が止まらなかった。
あなた
あなた
泣き虫だね
山田涼介
山田涼介
うるせーな
あなたのせいだかんな。
あなた
あなた
仕方ないなぁ

そう言って、あなたは俺を抱きしめた。
山田涼介
山田涼介
俺の事触れるのか?
あなた
あなた
特別に……ね
山田涼介
山田涼介
温かい……


俺が触れると、少しあなたの鼓動が早くなった気がした。

あなた
あなた
ねぇ、私もう行かなくちゃいけないみたい。

最後に話せて嬉しかった。
会えて嬉しかったよ
山田涼介
山田涼介
行くな。
もう、離れないで…
あなた
あなた
ごめんね……ごめん。
そうだ、渡したい物があるの。
駄々をこねる俺の手に

ひとつのカセットテープが置かれた。
あなた
あなた
これ、私の愛がつまってるの。
寂しい時はこれを聞いて。
山田涼介
山田涼介
あなた…
あなた
あなた
じゃあね、涼介
大好きだよ


そう言ったと同時に消えた。

カセットテープを残して。
知念侑李
知念侑李
ちょっと涼介、いつまでそこにいるの?
ご飯食べに来てよ
山田涼介
山田涼介
あ、あぁ。

もう一度仏壇を見た。

一瞬だけ、あなたを見た気がした。

山田涼介
山田涼介
俺は、愛してるよ

そんなクサイセリフを吐くと

あなたは照れたように笑って消えた










気がした。

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