みんなどんどん寝ていく。
けど、私は寝る気にはなれなかった。
ベットに入っても目が冴えて寝れない。
仕方ないから
私だけ起きていることにした。
この時の私は、まだ余命1週間という鎖に縛られていたから
寝るのが怖かった。
かと言って起きているのも怖かった。
特に、みんながどんどん寝てしまう時は
1人だけ残された感じがして恐怖が襲う。
ベットの上に1人で静かに泣いていると
ベットが軋む音がした。
そして、私を優しく抱きしめた。
驚いて顔を上げると___
涼介が心配そうに私を抱きしめていた
そう、優しく囁かれるから
私は泣きながら思っていたことを全て吐き出した。
寝るのも起きていることも怖いという事。
誰かと付き合うと相手が辛い思いをしてしまうこと。
涼介はその間黙って
私の背をさすって聞いてくれていた。
しばらくして、私が落ち着いたのを確認すると
涼介は抱きしめたいた手を緩め
私の手を握った
そう言って一呼吸おいて話し出した
そう言ってニコッと笑った。
この後、涼介が一緒に寝てくれた。
その日は寝る前も起きた時も怖くなかった。
むしろ幸せだった。
だから私は涼介と一緒にいることを選んだ。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!