夕方の研修医室。
あれから、増田くんとは特になにもない。
ほんとになんだったんだろう。
もしかして幻聴だった?
萌がテンションマックスで近づいてきた。
嬉しそうに携帯の画面を見せてくる。
あ、じゅんきくんだ。
リフティング、上手くやってるじゃん。
あんまり詳しくないフリをする。
この間、一緒にリフティングの練習をしたなんて
口が裂けても言えない
色々と雑談していると、しおんからLINEが来た。
しおんとのLINE
急いで荷物をまとめる。
足早に家に帰る。
途中でゼリーとか風邪薬とかを買いにスーパーにも寄った。
たくみくんの部屋に入る。
でもたくみくん、すごく辛そう。
たくみくんに薬を飲ませた後、
おでこの濡れタオルを新しいものに変える。
そして髪を撫で、体をポンポンと一定のリズムでたたく。
たくみくんは安心したように寝息を立てる。
綺麗な顔だなぁ。
立ち上がろうとすると
右腕をギュッと両手で掴まれる
とろんとした目で、上目遣いのたくみくん。
何この破壊力、、
かわいすぎる。
姫じゃん。
そう言って、たくみくんはすっと眠ったみたい。
それから何時間かたくみくんのところにいて、
そーっと部屋を後にした。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。