第62話

62 最後にする
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2020/05/10 04:03
コンコンっ
戸を叩く音がする。

誰だろ。
わ!じゅんきくん。
じゅんき
じゅんき
あなたー?
元気?
あなた

どうしたんですか?

じゅんき
じゅんき
最近見ないから元気かなーと思って。
あなた

入ります?

じゅんき
じゅんき
お邪魔します。







ベッドに2人で腰掛ける。
じゅんき
じゅんき
あんまり無理しやんで?
あなた

全然ですよ。
JO1も今忙しいんじゃないですか?

じゅんき
じゅんき
来月またファンミーティングあるからな。
あなた

そうなんですね!
じゃあ頑張らないと、ですね!

じゅんき
じゅんき
そうなんよ。
JAMちゃんに元気を届けるのが
俺の仕事やから。


そう言って笑うじゅんきくんの笑顔を見ると、

ついつい私も笑顔になってしまう。


萌はこんなところが好きなんだろな、と思う。

あなた

じゅんきくんて、ほんとに
人を明るくする力がありますよね。
それがじゅんきくんの魅力なんだろうなぁ。

あなた

ほんとに尊敬します。

じゅんき
じゅんき
そんなこと言われたらはずいやん。

そう言って照れ隠しのように

抱きついてくるじゅんきくん。
あなた

こらこら。



年上なのに、話しやすいじゅんきくんには

ときどきタメ口になってしまう笑


じゅんき
じゅんき
あなたにも元気あげたい。
あなた

もう元気もらってますって。

じゅんきくんの顔を見つめる。
じゅんき
じゅんき
そんなかわいい顔されたら
期待するやん。
あなた

なにをですか?

じゅんき
じゅんき
あなたほんまずるいわぁ。





さらに強くギュッとしてくる。







じゅんき
じゅんき
これからもたまには一緒にサッカーしたり、
カルボナーラ作ったりしような??
あなた

はい、ぜひ!






今日のじゅんきくんはなかなか離してくれなかった。


抱きしめられる手は力強くて、男らしくて。


なんかあったのかな?

















じゅんきside




あなたが見てるのは俺じゃない。

そんなことわかってる。



もう頑張らないから。

これで最後にする。





最後くらい、強く抱きしめさせて。





じゅんき
じゅんき
ほな、行くな。
あなた

うん、来てくれて嬉しかったです。
ありがとうございました。




このドアを出たら、もうあなたのことは諦めよう。



そう決心して、あなたの部屋を後にした。

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