ご飯を食べ終えると各自練習や仕事などに行ってくると言いみんな宿舎を出ていった。
私はリビングを借りてパソコンやら仕事の資料などを机の上に広げた。
1番最後にはウジくんが出ていった。
広いリビングに私1人。
やっと1人でゆっくり出来るな…。
そう思っていた時だった。
プルルルルル…プルルルルル…
社用の携帯が鳴った。
電話を切った後すぐに、課長からLINEが来た。
そこには事務所の名前と住所、また課長の知り合いの方の名前などが記載されていた。
私は石川さんの携帯番号をプッシュし鳴らしてみた。
プルルルルル…プルルルルル…
後2時間ほど…早く支度して出よう。
私は急いで外に出る支度をしパソコン等を一通り持ち、宿舎を後にした。
*****
ソウル特別市内までの行き方がよく分からなかった為、タクシーに乗り込んでプレディスエンターテインメントの会社所在地まで移動した。
早速私は石川さんへ連絡する。
そのまま上がってきて欲しいとの事だったので、ビルの受付で入館証を貰い、私は事務所の階へ向かった。
エレベーターを降りた目の前には、一人の男性が立っていた。
私はそう言いながら名刺を手渡した。
石川さんはそう言って、事務所内の会議室へと通してくれた。
会議室までの通り道にはプレディスに所属している子達のポスターが貼られてある。
本当に尽くSEVENTEENとは縁があるようだ。
感謝しなければ…。
石川さんとは軽く打ち合わせをし、また今後の事の詳細は後日しっかり時間をとって話す事になった。次回はプレディスの責任者なども交えて話をさせて頂けるようだ。
こんないい状況逃す訳にはいかない。
俄然やる気が出てきた…!!
ありがとうございます。と改めて伝え、会議室を出た時だった。
何ひと芝居打ってるんだろうと思いながらも、今彼らとの関係性を石川さんに伝えるのは違うなと思い、その場で事実を交えながら作り話をでっち上げる。
ウジくんもそれが分かってるのか、上手く対応してくれた。
そう言い残し石川さんはバタバタと事務所を出ていってしまった。
ウジくんの作業部屋かぁ…
どんな作業部屋なんだろう…。
色んなスタジオを見てきたが、本当に私はスタジオの雰囲気が大好きで何時間でもあの場に居られる。
何より音楽が作り出される場所というのが特別な場所で、大事な場所なのだ。
ウジくんが作る楽曲が作り出される場所。
興味が無いわけがなかった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。