第13話

新たな進展
663
2020/05/30 17:08
ご飯を食べ終えると各自練習や仕事などに行ってくると言いみんな宿舎を出ていった。

私はリビングを借りてパソコンやら仕事の資料などを机の上に広げた。
ウジ
ウジ
俺も作業部屋に行ってくる。夕方頃には誰か戻ってくると思うから、それまで好きに使ってて。
あなた

分かった!いってらっしゃい。

1番最後にはウジくんが出ていった。

広いリビングに私1人。
やっと1人でゆっくり出来るな…。
そう思っていた時だった。

プルルルルル…プルルルルル…

社用の携帯が鳴った。
あなた

…?うわ…課長からだ…

お疲れ様です。あなたです。

高橋 貴教(上司)
高橋 貴教(上司)
あぁ、お疲れ様。メール見たよ…
階段から落ちたのか?大丈夫だったのか?
あなた

あ、はい。結構な段数落ちたみたいなんですけど、気づいたら病院で…
なんとか、無傷ですぐ帰れました。

高橋 貴教(上司)
高橋 貴教(上司)
それは良かった…結局ホテルにしたのか?
あなた

今日はホテルに泊まりました。(嘘だけど…)
ただ…結構滞在期間も長そうですしホテルよりかは賃貸の方がいいと思いまして、今日にでも賃貸探しに行こうと思ってます。(嘘だけど…)

高橋 貴教(上司)
高橋 貴教(上司)
それはそうだな…。韓国語はどうだ?話せてるのか?(笑)
あなた

全然ですよ(笑)
翻訳ツール使いながらなんとかって感じなので今日から必死に韓国語マスターします

高橋 貴教(上司)
高橋 貴教(上司)
そうだな。頑張ってくれ!
で、本題なんだがひとつ朗報がある。
あなた

なんでしょう?

高橋 貴教(上司)
高橋 貴教(上司)
俺の知り合いが韓国で音楽事業をやっててな、韓国の芸能事務所と関わりがあるようで、今回のプロジェクトの話をしたら、興味持ってくれたんだ。
あなた

そうなんですね…?
そしたらその芸能事務所の方を紹介して頂けるとか…?

高橋 貴教(上司)
高橋 貴教(上司)
その通りだ!というかもうお前が行くことを伝えてくださっている。
あなた

話が早いですね(笑)

高橋 貴教(上司)
高橋 貴教(上司)
根回しは重要だ…!
だから、行ってきて欲しいんだその芸能事務所に。今回のプロジェクトはその事務所にも協力をして頂くことになっている。
あなた

ホントですか…!?そしたら結構メンバー集めも楽になるかもしれないですね…!

高橋 貴教(上司)
高橋 貴教(上司)
そうだな。後で場所と事務所名送っておく。
まぁまぁ有名な事務所だそうだ。あまり俺は詳しくないけど、、、今日か明日にでも行ってみてくれ。その事務所に俺の知り合いが居るはずだ。
あなた

かしこまりました!早速本日行ってみます!

高橋 貴教(上司)
高橋 貴教(上司)
それじゃ、大変だと思うが期待してるから。頼むよ!
あなた

かしこまりました。
お疲れ様ですー

電話を切った後すぐに、課長からLINEが来た。
そこには事務所の名前と住所、また課長の知り合いの方の名前などが記載されていた。
あなた

プレディスエンターテインメント…?
なんか…聞いた事ある気がする…とりあえず行ってみよう。えーっと?知り合いの方は…石川さん、か…連絡先も書いてるし、1本連絡入れておこうかな…

私は石川さんの携帯番号をプッシュし鳴らしてみた。

プルルルルル…プルルルルル…
石川
石川
はい、石川です。
あなた

あ、お世話になっております。私ミュージックアラインのあなたと申します。
先日弊社の高橋とやり取りしていただいておりました件でご連絡させて頂きました。

石川
石川
あー!聞いてるよ。韓国でグループ作って日本デビューさせるっていうプロジェクトの件でしょ?
あなた

はいそうです!私が担当させて頂いておりまして…何でも石川さんよりプレディスエンターテインメントさんとお話頂いていると伺いまして…
もし可能でしたら本日にでもお顔合わせ出来ないかと思いご連絡した次第です。

石川
石川
全然OKだよ!何時くらいに来れそう?昼からとかのほうがいいかな?
あなた

そうですね、そうしましたら…13時頃でいかがでしょうか?

石川
石川
分かった!プレディスの事務所に居るから、会社のロビー着いたらまた連絡して?
あなた

かしこまりました!よろしくお願い致します!

後2時間ほど…早く支度して出よう。

私は急いで外に出る支度をしパソコン等を一通り持ち、宿舎を後にした。

*****

ソウル特別市内までの行き方がよく分からなかった為、タクシーに乗り込んでプレディスエンターテインメントの会社所在地まで移動した。

早速私は石川さんへ連絡する。
あなた

お世話になっております。
先程ご連絡しておりましたミュージックアラインのあなたです。
あ、かしこまりました。伺います!

そのまま上がってきて欲しいとの事だったので、ビルの受付で入館証を貰い、私は事務所の階へ向かった。

エレベーターを降りた目の前には、一人の男性が立っていた。
石川
石川
君があなたちゃん?
あなた

はい!石川さんですね?
すみませんお時間頂きまして、ありがとうございます。

私はそう言いながら名刺を手渡した。
石川
石川
なんか、想像してたのとは全然違う子が来たな…(笑)
あなたちゃん今すぐここのアーティストに引き抜きたいくらい美人だね?
あなた

何をおっしゃってるんですか?(笑)
褒めるのがお上手ですね…!

石川
石川
結構本気で言ってるんだけどなぁ…まぁいいや。こっちで喋ろうか。
石川さんはそう言って、事務所内の会議室へと通してくれた。

会議室までの通り道にはプレディスに所属している子達のポスターが貼られてある。
あなた

あれ…これ…

石川
石川
どうかした?
あなた

あ、いや…このグループ…

石川
石川
あぁ、今プレディスでイチオシのSEVENTEENだよ。日本でもデビューしてるんだけど、知ってるかな?
あなた

あ、はい。知ってます!有名ですよねぇ〜
(知ってるも何も…って感じだけど…)

プレディス所属のアーティストだったなんて、知りませんでした…!
(これは本当に知らなかった…)

本当に尽くSEVENTEENとは縁があるようだ。
感謝しなければ…。

石川さんとは軽く打ち合わせをし、また今後の事の詳細は後日しっかり時間をとって話す事になった。次回はプレディスの責任者なども交えて話をさせて頂けるようだ。

こんないい状況逃す訳にはいかない。
俄然やる気が出てきた…!!
石川
石川
今日はありがとう!このプロジェクト絶対に成功させて、高橋の事ギャフンと言わせてやってくれよ!
あなた

ギャフンとですか…?(笑)
まぁ、色々思うところがあってこっちに来ましたけど、今とてもワクワクしてるんです。全力で頑張ります!これからもよろしくお願い致します。

石川
石川
じゃ、またこっちの準備が整ったら連絡するよ!
あなた

はい!ありがとうございます!
それまでにはある程度、韓国語出来るように勉強しておきます…!

石川
石川
そうだね(笑)
大変だと思うけど、何かあったら俺も手助けするから、連絡して!
ありがとうございます。と改めて伝え、会議室を出た時だった。
ウジ
ウジ
あっ…
あなた

あ…ウジくん…

石川
石川
ん…?ウジ??あれ、あなたちゃん、ウジと知り合いなの?
あなた

ちょっと色々ありまして…先日助けて頂いたんです…!また会えるなんて!

ウジ
ウジ
あ、あぁ…この間の、、、怪我なかったですか?
あなた

派手に転けましたが無事…無傷でした…!

何ひと芝居打ってるんだろうと思いながらも、今彼らとの関係性を石川さんに伝えるのは違うなと思い、その場で事実を交えながら作り話をでっち上げる。

ウジくんもそれが分かってるのか、上手く対応してくれた。
石川
石川
あ、やば!俺もう出ないとなんだ!
あなたちゃん今日は本当にありがとうね!また今度…!!
そう言い残し石川さんはバタバタと事務所を出ていってしまった。
ウジ
ウジ
びっくりしたんだけど…なんでここに居るの?
あなた

私もびっくりしたよ…!
課長の知り合いの方が韓国の芸能事務所と関わりがあって、知り合いだから協力して貰えることになったって今日連絡があったの。
だから早速挨拶に来たんだけど…まさかその芸能事務所がSEVENTEEN所属の事務所だったなんて…

ウジ
ウジ
そんなことあるもの…?すごいな(笑)
あなた

SEVENTEENの皆とは縁があるみたい(笑)

ウジ
ウジ
あ、そうだ。折角だからCD見ていきなよ、好きなやつから貸してあげる。
あなた

えっ!!ウジくんの作業部屋に入っていいの!?

ウジ
ウジ
別にいいよ?あなたはもう関係者なんでしょ?
あなた

それは…そうかもしれないね

ウジ
ウジ
こっち、案内する。
ウジくんの作業部屋かぁ…
どんな作業部屋なんだろう…。

色んなスタジオを見てきたが、本当に私はスタジオの雰囲気が大好きで何時間でもあの場に居られる。

何より音楽が作り出される場所というのが特別な場所で、大事な場所なのだ。

ウジくんが作る楽曲が作り出される場所。
興味が無いわけがなかった。

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