第18話

WOOZI Side Story #5
611
2020/06/02 06:09
スングァン
スングァン
あれ…あなたヌナ…なにかあったの?
目真っ赤だけど…
あなた

あぁ…さっき目にゴミ入っちゃったみたいで、コンタクトしてるから痛くてさぁー…涙止まらなかったよ(笑)

ウジ
ウジ
………
なんとも苦しい言い訳をしているのには意味があるのだろう…。

その涙の理由が知りたくて仕方がなかったが、これ以上詮索する必要もないと思い俺は黙り込んだ。
ドギョム
ドギョム
……さ!これ食べなよー!冷めちゃうよ!
ドギョムがそう言うとあなたは無理した笑顔を見せながら、料理を口にした。
あなたの無理して作った作り笑いは俺の心を苦しくさせる一方だった。

そのまま皆で宿舎に戻ると、彼女は「仕事をしたいからリビングで作業をさせて欲しい」と言ってきた。
俺らは断る理由もなく承諾したが、気がかりで仕方なかった。

深夜2時過ぎ頃、他のメンバーが寝静まった頃に俺はどうしても気になって、少しリビングを覗いてみることにした。
ウジ
ウジ
寝てる…
あなたはリビングの机に突っ伏して寝てしまっていた。

パソコンは動画が流しっぱなしになっており、また彼女の手元には手書きで書かれた数枚の楽譜が無造作に散らばっていた。

楽譜に目をやると曲にはなっておらず、フレーズで書き出されているようだった。
ウジ
ウジ
なんだ…やっぱり自分で作ることもあるんじゃん。
俺は楽譜を手に取り、そこに書かれているメロディーを口ずさんだ。

繊細なフレーズででも何処か力強さを感じるミディアムバラードに合いそうな綺麗なメロディーラインだった。

俺では作れない、彼女だから生み出せる。
そう感じさせられるようなフレーズだった。
ウジ
ウジ
なんだよ…羨ましいくらい良いメロディーだな…
あなた

ん……

ウジ
ウジ
…!!?
あなたが目を覚ましたのかと思ってヒヤリとしたが、体制を変えただけだった。

さっきまで辛そうな顔をしていたが、寝ている彼女の、表情は柔らかかった。

無意識に俺はそっとあなたの髪の毛に触れていた。

指通りの良い綺麗な髪の毛をなぞる様に自分の指に絡めていく。
ウジ
ウジ
あなたが頑張ってるの、皆知ってくれてると思うよ…ゆっくり休んでその曲出来たら聴かせてくれよな。
何やってるんだ俺は…と急に恥ずかしくなって、彼女にブランケットだけかけてリビングを去ろうとした時だった。
ウジ
ウジ
あぁ…
ジョシュア
ジョシュア
見ちゃいけないもの見ちゃった…♡
ジスヒョンに見られてたなんて…最悪だ。
どこから見られてた?
ジョシュア
ジョシュア
あなたヌナの髪を愛おしそうに撫でるところよりちょっと前から見てたよ…!
ウジ
ウジ
結構見てるじゃん…
ジョシュア
ジョシュア
好きなんだねぇ…青春だねぇ…
ジスヒョンはニヤニヤしている。
新しいのからおもちゃを見つけた子供みたいな無邪気な顔をしている。
ウジ
ウジ
誰にも…言うなよ…
ジョシュア
ジョシュア
えー!どうしよっかなー!(笑)
言わなくてもバレると思うけど??
ウジ
ウジ
そんなに分かりやすいか…?
ジョシュア
ジョシュア
うん。ウジ、あなたヌナの前だと可愛くなるからすぐ分かるよ?
ウジ
ウジ
…これから顔に出さないようにする……
いじられるのは面倒だ。
気をつけようと思ったのと同時に、俺はあなたが好きなんだろうな…とこの気持ちが確信に近づいていくのが感じられた。

あぁ、きっと俺はあなたが好きなんだろうな…。

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