丁度、宿舎に戻る頃にはVライブを終えてリビングでジフンはゆったりとしていた。
私はリビングの机に買ってきたワインを置き、ワイングラスを取ってきた。
私は2つのグラスにワインを注ぎひとつをジフンの目の前に置いた。
グラスを合わせてワインを口に含む。
あ、やっぱり美味しい…。
こんな聞き方はせこいのかもしれない…だけど寂しいと思ってくれてると良いなと思って、思わず聞いてしまった。
買いたてホヤホヤのプレゼントを袋ごとジフンに渡す。
ジフンはラッピングを解いていき箱の中に入っているケースを取り出し開けた。
ケーキも取り分けて暫くたわいもない話をした。
やっぱりジフンとは話が尽きないな。
一緒にいて心地がいい。よく笑ってくれるジフンはとても可愛らしかったし、仕事の話になると凄く真剣な眼差しになる。そんな姿はとても格好良い。
やっぱり、
あれ?ジフン何の話してたかな?
私さっき頭の中で考えてたつもりだったのに…声に出してた!?どこから声に出てた??
いやほんと何話してた?何の話してた?
いや、何で私馬鹿正直に言っちゃってるの?
なんて真っ直ぐな目をして言うんだろう。
ジフンの目を見るだけでもう逃れられない気がしてくる。
この真っ直ぐな目が好きなんだ。
意思の強い男らしいでもふとした時に見せる可愛らしい表情も全部、出来ることなら独り占めしたい。
そんなジフンが私のことを好きだと言ってくれているなんて、夢のようだ。
嘘でしょう?と言いたくなった。
何で私なんか?言いたいことは沢山あった。
でもそんなことよりも、ジフンが私に好きだと伝えてくれた事、付き合ってくれませんかと言ってくれたことがこの上なく嬉しくて幸せで…
何故か分からなかったけど、でも嬉しくて私は韓国に来て2度目の涙を流した。
あっ…照れてるな。
目を合わせてくれなくなった。
そんな姿も愛おしくて、またそんな彼が今この瞬間から彼氏になったというのがまだ実感出来なくて、私はずっとドキドキしたまんまだった。
*****
暫く互いに恥ずかしくて喋らずワインだけひたすら消費していた時、突然ジフンが席を立ってリビングの入口へと向かった。
こうしてジフンとの二人の時間(そもそも2人ではなかったようだが)は終わり、コソコソ見に来ていたメンバーを含めてのジフン誕生日会が改めて始まった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!