第20話

WOOZI Side Story #6
889
2020/06/04 03:30
メンバーみんなが完全に面白がっている。

今朝はあなたに起こされ朝からびっくりしすぎてクラクラした。
作業部屋に入っていつものように作業を進めていたが、どこかでやっぱり彼女の事を考えており、気分を変えて違う曲を作り始めてしまう始末だった。

俺の今の心情は、 아낀다アッキンダの詞に近かった。もうこの曲をこのまま彼女の前で歌っても良いかもしれない。

本当にまいったな…いつも歌詞は簡単に書けるけど当事者になった途端に苦しくて死にそうだ。

パソコンに向かってメロディーを打ち込んでいたが、手を止めてソファーに寝転んだ
その時ガチャっと扉が開く音がした。
ウォヌ
ウォヌ
ウジー
ウジ
ウジ
んー
ウォヌ
ウォヌ
今日はヌナがごはん作ってくれるんだってさ!ミンギュが言ってた。上の階の皆も今日は下でごはん食べるって張り切ってたよ(笑)
俺もう帰れるし、良かったら一緒に帰らない?
ウジ
ウジ
いいよ。
昨日に引き続き大して作業は進まなかったが、ウォヌと一緒に俺は宿舎に戻ることにした。

*****
宿舎に戻り玄関に入ったときだった、リビングから声が聞こえる。
良く聞いてみると歌を歌っているようだった。
あなた

幸せなんて言葉ひとつで~
叶えられないモノがある…
ありえないなんて 信じられなくて
Yeah I just want it SIMPLE SIMPLE oh-

歌声の主はあなたで、口ずさんでいるメロディーは聞き覚えのある曲だった。
このメロディーライン…「Simple」だ。

歌詞は韓国語ではなく、日本語で歌っているようだった。
あなた

生きる全ての理由が 明日じゃなくても
間違いだって一つの答えになるから~♪
Baby's called my happiness ~
Yeah I just want it SIMPLE SIMPLE
I want it SIMPLE ~♪

あなたは上機嫌にキッチンに向かっており、俺らが帰ってきていることに気づいていないようだった。

サビを歌い終えて、料理の作業も一区切りついたのか彼女が俺らの方に振り返った。
あなた

ひゃっ…!!!ウォヌさん!?
帰ってたんですか…!!!?

ウォヌ
ウォヌ
あぁ…うん。楽しそうに歌ってたから声かけずらかった。すみません…
あなた

え、はずかし…

そう言ってあなたは顔を真っ赤にする。

ちょうどウォヌの後ろにいたからか、俺も帰ってきていることにまだ気づいていないようだった。
ウォヌ
ウォヌ
Simple、さっきのは日本語ですか?
あなた

う、うん。今日ずっと聴いてて…直訳だと言葉数多くて、メロディーに合わせて歌えないから、私なりの解釈で勝手に日本語詞をつけて…歌ってました、、はい。
あと…韓国語の勉強になるかなと思って…翻訳作業も兼ねまして…ってやってたら日本語詩にしたくなって、大変失礼致しました…

ウォヌ
ウォヌ
綺麗な歌声だったね?ウジヤ?
ウジ
ウジ
ん。
あなた

う、、、う、ウジくんもいらっしゃいましたか…

気まずそうにあなたは、はははっ…と笑っている。

日本語の詞の意味は調べないとわからないが、あなたは歌も上手かった。
音楽センスがあり、作詞作曲が出来て、見た目も綺麗で、性格も良くて…?
強いて言うのであれば背が小さいところがあれかもしれないが、俺もそれは人の事は言えないし十分アーティストとしてもやっていけるのではないか?と思うくらい才能がある人なんだなと思った。
ウォヌ
ウォヌ
ヌナは歌が上手なんですね~
あなた

いやいや、歌は趣味程度にやってただけだし、皆に比べたら恥ずかしいものだよ…

ウジ
ウジ
いや、十分うまいしすごいよ。
曲も作れるし…俺の作業手伝ってほしいくらいだわ。
あなた

ありがとう…!ウジくんにそう言って貰えると、お世辞でも嬉しい!
あ…ねぇ、やっぱり昨日楽譜見たのウジくん!?「 허세ホセ」って書いてくれてたの、ウジくんだよね?

ウジ
ウジ
えっ…?あぁ…うん。そう。
あれ見てそんな感じしたからさ…
あなた

よく分かったね?あの時私、強がって…見栄張って…なんか、そんな気持ちで書いてたから…お陰様で、曲のタイトルはすぐ決まりそうだよ

ウジ
ウジ
そりゃどうも。
あのさ、あなたが時間ある時でいいから、日本語の歌詞一緒に考えてくれない?どうしてもニュアンスとか日本語にするの難しくてさ。
あとレコーディングとかも手伝って欲しい。俺だけだと発音を皆に教えるの大変なんだよな…俺も日本人じゃないから限界あるし
あなた

えっ!むしろ私なんかでいいの?
私の周りにはもっと上手に翻訳詞を書いたり発音キレイな人いるよ?

ウォヌ
ウォヌ
俺はあなたヌナがいいけどなぁー
ジョシュア
ジョシュア
何話してるのー?あ、ただいまー
ホシ
ホシ
俺も遊びに来たよー!!ナハーー!
ジョンハン
ジョンハン
ホシ元気だな…
メンバーがゾロゾロと戻ってきた。
あっという間にリビングが埋まっていく。
ウォヌ
ウォヌ
ウジがあなたヌナにお仕事の依頼をしてました。
ホシ
ホシ
仕事ー?
ウジ
ウジ
日本語の歌詞とか、レコーディングとか…一緒に考えてくれたり、現場に居てくれたらすごく助かるなと思って。
ジョシュア
ジョシュア
いいじゃん!日本語の発音難しいのあるもんー「オツチュカレサマー」とか「アリガトウゴジャリマスー」とか…難しい…
ホシ
ホシ
韓国語にはない発音が日本語にはあるんだよね?たしか、調べたら書いてた!
あなた

へぇ…そうなんですねぇ…
皆さんのお役に立てるなら!レコーディングとかも普段の仕事内容と何も変わりませんし、歌詞もまぁ、センスがあるかは別として普段からよく見るので目は肥えてるかと思います。

ジョンハン
ジョンハン
おー!次の日本語バージョンの曲が楽しみになってきたね!
あなた

がんばりますっ!!
皆さんの大事な作品づくりに私も関われるなんて…!光栄です!

ドギョム
ドギョム
あれー!!!みんな集まってるー!
スングァン
スングァン
今日はヌナのご飯だって聞いて!降りてきた!!
メンバー全員が揃いに揃ってリビングはすっかり狭くなってしまった。
あなた

何作ろうかなと思ったんですけど、韓国料理作れないですし…折角なので日本食にしました!

あなたは次々にキッチンからリビングへ料理を運んでくる。
あなた

どうしても味噌汁とかは日本の味噌を使ってるわけじゃないので、思ったようにはならなかったんですけど…食べられないことはないと思います!(笑)

スングァン
スングァン
ねえ!これ!カツ?
あなた

あ、そうそう。それはトンカツ!
よく食べる人しかいないから、良いかなと思って(笑)

ミンギュ
ミンギュ
ヌナに料理頼んでよかった!
ジョンハン
ジョンハン
どれも美味しそう!
SEVENTEEN
SEVENTEEN
 チャル モッケ スムニダいただきますー!
あなたの作ってくれたトンカツや味噌汁は美味しくて、13人全員で食べると結構な量が会ったのに一瞬でなくなってしまった。

幸せだな…そう感じながら、もくもくと箸を進めていく。
ホシ
ホシ
 マシッソヨ〜〜おいしい!
ジョンハン
ジョンハン
そう言えば、あなたヌナは結構お酒飲めるのー?
あなた

飲める!飲める!強いかは…わからないけど、人並に飲むよ!

ディエイト
ディエイト
そしたら僕、おすすめのワインありますよ!
ホシ
ホシ
俺も飲みたーい!
ディエイト
ディエイト
じゃあまた今度時間作って飲みましょ!
あなた

本当っ!!?楽しみ増えたー!
やっぱり早く韓国語マスターしないと(笑)

スングァン
スングァン
僕らも日本語マスターになる!(笑)
あなた

互いに教え合いっこだね!

騒がしく楽しい時間はこの日を境にどんどんと増えていき、今まで以上にメンバーの仲も良くなった。

気づいたら俺たちにとってあなたはとても大事な存在で、一緒にいて当然。もう居なくては困る人になっていた。

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