私はウジくんにそれぞれメンバーの部屋の場所やキッチンの使い方、ごみ捨ての場所やら色々説明してもらっていた。
ウジくんはふにゃっとした笑みを私に向けた。
私は一瞬フリーズしてしまった。
やっぱりウジくんの笑顔可愛すぎない…?
え、さっきまで無愛想に説明しているだけだったのに、、、若さ?これが若さなの??
とりあえず、どデカいキャリーケースから洗顔フォームなど色々取り出し、先にお風呂に入らせてもらった。
ウジくんは部屋に居るからと自室に戻って行った。
シャワーを浴びながらこの先どうやって行くか考えていたが、大した案は思い浮かばなかった。
今日はいっか…ゆっくりしても…。
お風呂から上がりタオルで髪の毛をわしゃわしゃしながら、ウジくんの部屋へ戻る。
一瞬私の顔を見たが何故かウジくんはふいっと顔を背けてしまった。
すっぴんだからかな…?
ただでさえそこまで可愛くも美人でもない平凡顔…見るに堪えないですよね(泣)すみませんね…君たちみたいな美形・美肌が羨ましい限りですよ…
ウジくんは私の返事を聞く前に部屋を出て行ってしまった。
さて、髪乾かしながら今日の報告やらなにやら纏めて送っておかないとな…
私はパソコンに電源を入れ、イヤホンを耳につけて仕事を始める事にした。
最初にやる事は決まっている。
動画サイトを開き、SEVENTEENの楽曲を片っ端から聴いていく。
そして今日の報告メールを纏めていく。
報告と言っても、無事韓国に着いた事とぶっ倒れて病院に行ったが今は普通だということ。
SEVENTEENのメンバーに出会ったことやメンバーの宿舎に止まっていること、また彼らのサポートをすることになったことは報告を控えておく。
メールを送信し終えて、私はずっとSEVENTEENの楽曲を聴いていたが、韓国語はやっぱり何を言っているのか理解出来なかった為、同時に日本語訳のサイトを開きずっと見ていた。
これもしかしたら結構韓国語の勉強に出来るかも。
音楽を聴くことは好きだし、これらの楽曲の詞を自分で日本語に訳して覚えていけば少し理解度が上がりそうだ。
色々思った事をずっとパソコンの画面を見ながらブツブツ呟いていた私は、彼が部屋に戻ってきていたことに気づかなかった。
びっくりした…ずっと日本語で喋っていたから何を言っていたかウジくんにはバレてはいないだろうけど…
私はイヤホンを外しウジくんを見る。
ウジくんはおそらく私が凄いとウジくんを賞賛したのが分かったのか、カタコトにありがとうと言った。
またウジくんはそっぽを向いた。
何となくわかった…そっぽを向いてるのは照れ隠しなのかな…?…と
おやすみを伝え、ベッドに身体を委ねると一気に睡魔がやってきた。
今日はよく寝れそうだ…。
こうして私の怒涛の韓国生活1日目が終えた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。