第85話

Flower81 【阿部③】
710
2021/03/26 01:29
阿部亮平
阿部亮平
めめ、その写真・・・
目黒蓮
目黒蓮
あっ、阿部ちゃん。
これ?この前、俺もこーじに撮ってもらったんだ。
阿部亮平
阿部亮平
そっか。
めめの見せてくれた写真には、めめとあなたの名字さんが映っていた。
それは、愛しそうに彼女を抱きしめる、めめの姿だった。
阿部亮平
阿部亮平
(めめの幸せそうな表情の理由は、これ・・・)
佐久間も、照も。
ラウールに、めめまで。
こんなにもみんなを惹き付ける彼女はどんな人なんだろう。


好奇心は、無意識のうちに膨らんでいくものなのだと、今更ながら自覚する。



手元の写真をじっと見つめる俺に、今度はめめが問いかける。
目黒蓮
目黒蓮
阿部ちゃん?
阿部亮平
阿部亮平
あっ、なに?
目黒蓮
目黒蓮
この、写真良くない?
阿部亮平
阿部亮平
えっ?
差し出された写真には、めめの腕の中で、祈るように瞳を閉じる彼女の姿。
目黒蓮
目黒蓮
なんか神秘的っぽくない?
こーじの腕が良いからなのかもしれないけど。
光のさじ加減なのか、2人を光が包んでいるように見える。
阿部亮平
阿部亮平
綺麗だね
目黒蓮
目黒蓮
うん(^-^)
すごく綺麗で気にいってる。
そう口にするめめの表情は、やはりいつになく穏やかで・・・。
阿部亮平
阿部亮平
めめ
目黒蓮
目黒蓮
なあに?
阿部亮平
阿部亮平
すごく嬉しそうな顔、してる。
目黒蓮
目黒蓮
(*≧艸≦)…そうかな。

でも、ずっと探してたから、彼女のこと。
また会えて・・・ホッとしてるんだと思う、俺
予期せぬ発言だった。

『探していた』・・・だなんて。

言葉の真意までは読み取れないけど。
ただ、俺が目にした、めめの幸せそうな表情が、大切なものを見つけた時の子供と同じ感覚を得たから出たものだった、と・・・そんな気がした。
そのせいか、次の瞬間の俺の言葉は、躊躇(ちゅうちょ)すること無く、口を割って飛び出した。
阿部亮平
阿部亮平
めめにとって、大切なんだね、彼女は
目黒蓮
目黒蓮
どうなんだろう…(〃艸〃)
ポーカーフェイスが得意なめめが、ふいに見せた照れた表情は、肯定を意味している・・・そう思った。

そんなやり取りがあったその日。
レコーディングを終えた俺は、舘様と居た。
阿部亮平
阿部亮平
舘様、えっと・・・どちらへ?
宮舘涼太
宮舘涼太
食事でも行こうかと思って。

予定とかあった?
阿部亮平
阿部亮平
いや、今日は特には・・・
宮舘涼太
宮舘涼太
それならよかった(^-^)
一緒に歩きはじめて、何となく行先に検討がついて、問いかける。
阿部亮平
阿部亮平
舘様、これから行くところって、もしかして・・・
宮舘涼太
宮舘涼太
この前一緒に行った喫茶店だけど。
誰にも教えていない、と話していたその場所は、舘様にとって大切な場所のはずなのに・・・。
そこに俺を再び連れて行ってくれることに、驚きと申し訳なさでいっぱいになる。
宮舘涼太
宮舘涼太
どうした?
阿部亮平
阿部亮平
いや、俺、行っていいのかな、って(^-^;💦
宮舘涼太
宮舘涼太
なんで?
阿部亮平
阿部亮平
前に他の人には教えていないって、話してたから。
宮舘涼太
宮舘涼太
あぁ・・・。
別に教えるのが嫌だったわけじゃないから。
誰にも聞かれなかっただけで。
阿部亮平
阿部亮平
なるほど。
舘様らしい返答に笑ってしまった。


すると、店の近くまで来て、見覚えのある人影が視界に飛び込んできた。
それは先程まで一緒にいた人物で、俺たちに気がつくと右手を上げた。
宮舘涼太
宮舘涼太
早かったな
岩本照
岩本照
おう。
意外に早く電話が終わって。
阿部亮平
阿部亮平
照、なんで!?
岩本照
岩本照
阿部、よっ。

舘さんにさっき誘われたんだ。
俺、別件で電話しなきゃいけなかったから、先に行ってもらったんだけど。
俺の方が早かった(;^_^A
阿部亮平
阿部亮平
そうなんだ。
照と合流して、3人で進む道のりは、昔を思い出すには丁度よくて・・・。
無意識に始めた思い出話に、笑いあった。
阿部亮平
阿部亮平
あっ、照はこれから行くところに行ったことあるの?
岩本照
岩本照
俺は今日初めてだよ。
阿部は?
阿部亮平
阿部亮平
俺は2度目。
岩本照
岩本照
そうなんだ。
阿部亮平
阿部亮平
素敵なところ、だよ(^-^)
宮舘涼太
宮舘涼太
ちょっと待ってて。
店の前に着くと、舘様は1人店内へと入って行った。
少しして、戻ってくると、俺たちは中へと足を踏み入れる。
舘様に導かれるように通されたテーブルに行くと、先約者が顔をあげたのだった。

プリ小説オーディオドラマ