第55話

Flower52
1,118
2021/02/26 08:27
3月に入って、1週間が過ぎた頃・・・。
私はとあるスタジオに居た。
(男性)忙しいところ、ありがとう。
    あなたの名字さん。
(なまえ)
あなた
いえ、今日はよろしくお願いします。
(男性)自己紹介が遅れたね。
    僕はSnow Manの番組の構成作家を勤めてま
    す。
(なまえ)
あなた
構成作家さん、ですか
(構成作家)うん。その番組の企画で、今までも何
      度かやってきた、胸キュンボイスを決
      めるコーナーがあって。
      そのコーナーの相手役を、お願いした
      くて今日はお呼びしたわけです。
(なまえ)
あなた
相手役?
(構成作家)そうなんです。
      メンバー全員がそれぞれ簡単な台本を
      作ってくれてます。
      それに対して、こちらで女の子の台詞
      を作ったので、その役をあなたの名字さんに
      演じて頂きたいな、と。
目の前に並べられた、複数の台本。
手に取り、それぞれを読み込む。


(構成作家)あなたの名字さん、ちなみに今日この
      まま収録出来そうですか?
(なまえ)
あなた
えっ、はい。1時間ほどお時間を頂ければ
(構成作家)分かりました(^-^)
      じゃあ、1時間後に収録開始で準備
      してきますので、後ほどよろしくお
      願いします。
1人取り残されたスタジオの中。
台本を読みながら、役を作っていく。


テーブルの上に置かれた、メンバー全員の写真と、台本を確認する。
私が知ってるのは、佐久間さんとラウールくんだけ。
他の人は容姿しか相手を知る方法がない。
舞台の練習でも、相手と絡みがある分役に入りやすいのだけど、今回は見た目の雰囲気で相手を汲み取っていかなければならない。


私は小さく息を吐き出すと、バックからペンを取り出して、それぞれの台本にキャラクターの設定を書き込んでいく。

時計が1時間後を知らせる頃、私のペンも止まった。
それを同じくして、スタジオの扉が開いた。


(構成作家)あなたの名字さん、どう?
(なまえ)
あなた
あっ、はい。
大丈夫です(^-^)
(構成作家)無理言ってごめんね。
      事務所の方に確認したら、収録時間を
      別日にするのは難しいって言われてし
      まって・・・。
(なまえ)
あなた
こちらこそ、すみません。
せっかくキャスティングして頂いたのに、ご無理を言って・・・σ^_^;
(構成作家)いや。君が今忙しくしてるのは、僕も
      よく知ってるから。
      その中で快く受けてもらえただけでも
      ありがたいよ♪( ´▽`)
(なまえ)
あなた
ありがとうございます(^-^)
そんな雰囲気の中、収録場所へと移動して、いよいよ収録。

9人分のアフレコをその都度、構成作家さんと話し合いながら、役を作り上げ、完全に収録を終えたのは22時過ぎだった。

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