第89話

Flower85 【向井②】
643
2021/03/30 03:31
ガチャ。
家に戻ると、めめはベッドに腰掛け、テレビを見ていた。
目黒蓮
目黒蓮
こーじ、おかえり
向井康二
向井康二
ただいま
テーブルは片付けられており、残ったたこ焼きが更にのっている。
向井康二
向井康二
めめ、もう、食べへんの?
目黒蓮
目黒蓮
あっ、もう大丈夫。ごちそうさま
冷蔵庫からミネラルウォーターを2本手にして、めめの元へと戻り、俺は床に腰を下ろした。
向井康二
向井康二
はい
目黒蓮
目黒蓮
ありがとう
向井康二
向井康二
あっ、なんなら、お酒もあるで
目黒蓮
目黒蓮
いや、今日は、いいや。
明日、雑誌の撮影あるし。
向井康二
向井康二
そっか。
水を飲む姿が画になるとか、めめはやっぱりイケメンなんだとしみじみ思う。
目黒蓮
目黒蓮
どうした?こーじ?
向井康二
向井康二
いや。
あっ、で、さっきの話だけど。
目黒蓮
目黒蓮
あぁ、あなたの名字さんのこと?
向井康二
向井康二
そうや。どないするん?
目黒蓮
目黒蓮
どうするって別に・・・
向井康二
向井康二
発展は望まんの?
目黒蓮
目黒蓮
発展って・・・さっきも言ったけど、まだ1度しかまともに話せてないし、そこまでの関係じゃないから。
向井康二
向井康二
でも、好きなんやろ?
目黒蓮
目黒蓮
まあ・・・。
何となく煮え切らない態度のめめ。
あんな幸せそうな顔見たら、応援しない訳にはいかへんよな。
どうにかしてあげられたらええんやけど。
策を模索するように、1人ブツブツ言っている俺にめめは言う。
目黒蓮
目黒蓮
なんで、こーじがそんなに必死になってるの?(^-^;💦
向井康二
向井康二
だって、めめには幸せになってもらいたいねん
目黒蓮
目黒蓮
こーじ、俺の親かなにか?(;^_^A
向井康二
向井康二
親!?Σ⊙▃⊙川
失礼やで(*゚ε´*)プゥ
目黒蓮
目黒蓮
いや・・・この話の流れ、親みたいだから。

でも、ありがとう。
なんか話したら少し気が楽になった。
なかなか彼女に会うタイミングが無かったから、少し気落ちしてたんだけど。
来週は阿部ちゃんと佐久間くんのラジオも決まったしね。
向井康二
向井康二
昼間、そうやって言っとったなぁ。
目黒蓮
目黒蓮
うん。

話してくるよ(^O^)
再び見れた幸せそうな顔。
それを見ただけで、俺も嬉しくなる。
向井康二
向井康二
なぁ、めめ・・・
目黒蓮
目黒蓮
なに?
向井康二
向井康二
あなたの名字さんってどんな子なん?
めめの目にはどんな風に写ってるんだろう。
目黒蓮
目黒蓮
どんな子・・・かぁ。
触れたら壊れそうなほど、繊細な子、かな?
向井康二
向井康二
壊れる?
目黒蓮
目黒蓮
見た感じは凛としてるんだけど、危なかっしいというか。

こーじも話したら分かると思うよ。
向井康二
向井康二
話して分かるんかなー。
目黒蓮
目黒蓮
o('ー'o)ウン♪

ひとつだけ確かなことがあるとすれば、知らぬ間に彼女のことを考えてる自分が居るってこと。


なんなら、こーじとライバルになる可能性もある気がするよ(✿˘艸˘✿)
向井康二
向井康二
なんの冗談や(( ヽ(;´Д`)ノ⌒
目黒蓮
目黒蓮
まっ、その時は正々堂々とよろしく
向井康二
向井康二
正々堂々って・・・そんなことあらへんから心配すな(ง •ૅ౪•᷄)ว 
目黒蓮
目黒蓮
≧(´▽`)≦アハハハ
そうだね。

あっ、こーじ、俺、そろそろ帰るよ。
向井康二
向井康二
もうそないな時間か
時計を見れば22:30を回っている。
目黒蓮
目黒蓮
じゃあ、またね。
今日はごちそうさま。
おやすみ\(^▽^)
向井康二
向井康二
おやすみ(^o^)ノ<
めめを送り出し、静まり返った部屋の中で。
ベッド横のテーブルにある複数の写真が目に留まる。
向井康二
向井康二
(食事の時にめめに見せたやつや)
彼女を見る瞳・・・か。
我ながら的確な表現だと思う。

うんうん。

頷きながら、写真を手に取りベッドに横になった。


彼女を抱きしめながら、愛おしそうに見つめるめめ。


やっぱり好きやん、どう見ても。
見てるこっちが恥ずかしゅうなるわo(>ロ<o) (o>ロ<)o


ベッドを軽くのたうち回って・・・。
一段落して、座り直して我にかえると、冷静な自分が居て。
向井康二
向井康二
この、瞳に惹かれるんかもしれん。
めめばかりを意識しすぎて、俺が気に止めていなかった彼女・・・あなたの名字さんの表情。
手にしていた写真の彼女は、怯えた目をしていた。

イケメンのめめに抱きしめられたら、普通の女子なら目がハートになってもおかしゅうないのにな。

めめに抱きしめられてるのに、必死に何かに耐えるような、そんな・・・。
何枚かの写真を見比べても、最初に見た写真の表情の彼女はいなかった。
スルーしてもおかしくない違いに気がついたのは、俺・・・だからかもしれない。


その想いが俺の中で彼女の存在を大きくしていくのだった。
それはまさに、めめが告げた言葉の通りに・・・。

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