涼太 side
翔太とのラジオの日。
突然エンディングに佐久間の声が聞こえてきて、
その日別ラジオの収録で、Snow Man繋がりで番組を繋いだと聞いて、放送終了後に突然、佐久間のラジオに飛び入りすることを決めた。
戸惑っていたのは、翔太。
でも、単純に佐久間が驚く顔が見たくて、翔太も巻き込んでスタジオを訪れた。
中には佐久間の姿が見えて、CM明けに俺たちはスタジオへと入っていく。
予想以上に驚いている佐久間の向かいに座る彼女が俺の視界に止まった。
忘れもしない、喫茶店で見たあの光景が脳裏に蘇ってきた。
佐久間の話を聞きながら、視線は彼女に向けられる。
流れで、俺は佐久間の隣に。
翔太は彼女の隣へと腰を下ろした。
彼女の促しで俺たちは自己紹介をしてから、番組を進めていった。
佐久間との掛け合いがテンポよく、笑顔を見せる彼女につられて、俺も翔太も笑顔が溢れた。
そんな中、気がつけば番組はエンディングを迎えたのだった。
ヘッドフォンを外し、佐久間が大きく息を吐いた。
俺たちの会話をよそに、彼女がブースを出ていく。
その後ろを追うように俺たちも席を立った。
(ディレクター)佐久間くん、あなたの名字さん、初回の割に緊張とか見られなくていい感じだったと思うよ。
(ディレクター)宮舘くんも渡辺くんも、ありがとう。初回放送が予想以上に盛り上がったよ。
好奇心から飛び入りしたのは、俺と翔太だけの秘密f^_^;・・・ということで、ここは丁重にお礼を言ってみせた。
すると、奥でスタッフと話していた佐久間と彼女が俺たちのところに戻ってきた。
ラジオ局の廊下でそんな話をしながら入り口へと向かう。
入り口近くまで来て、彼女が俺たちから少し離れて電話をするのを、俺たちは待っていた。
2人の話を聞きながら、俺は彼女へと視線を向ける。
彼女に視線を向ける俺に、翔太が小声で問いかける。
残念そうにそう呟く翔太をよそに、俺は彼女に話しかけるタイミングを見計らっていた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。