第83話

Flower79 【阿部①】
797
2021/03/22 21:29
亮平 side

レコーディングを終えて、俺と照、舘様はみんなの居る会議室へと戻った。
阿部亮平
阿部亮平
ラウ、めめ、こーじ、お待たせ
ラウール
ラウール
めめ、こーじくん、行こー(^O^)/
目黒蓮
目黒蓮
行ってきます
向井康二
向井康二
おう
3人を送り出し、俺たちは椅子へと腰を下ろした。
阿部亮平
阿部亮平
何してたの?
深澤辰哉
深澤辰哉
大したことはしてないけど。
佐久間の知り合いの子の歌、聴いてた。
岩本照
岩本照
知り合いの子の歌?
深澤辰哉
深澤辰哉
そう。
初めてレコーディングするらしくて、試しに歌ってみた音源をみんなで聴いてたんだ。
阿部亮平
阿部亮平
俺らも聴きたいな。ねっ、照?舘様?
宮舘涼太
宮舘涼太
佐久間がいいならぜひ。
岩本照
岩本照
俺も
深澤辰哉
深澤辰哉
佐久間、どうする?
佐久間大介
佐久間大介
多分メンバーなら彼女も怒らないと思うし・・・。
じゃあ、聴いてみる?
佐久間の携帯から流れてくる音楽は俺たちの楽曲で、一度聴いている、佐久間・ふっか・翔太はリズムをとりながら聴いていた。
そして、舘様は目を閉じて、照は腕を組みながら何かを考えているようだった。
阿部亮平
阿部亮平
(誰が歌ってるんだろう・・・)
心地よい歌声はすんなりと耳に入ってくる。
それはきっと誰もが同じ感覚だったのか、歌が終わるまで誰も口を開かなかった。
曲が終わって、口火を切ったのは舘様だった。
宮舘涼太
宮舘涼太
だいぶ雰囲気が変わるものだな
阿部亮平
阿部亮平
そうだね。
佐久間、これって誰が歌ってるの?
佐久間大介
佐久間大介
あっ、あなたの名字さんだよ
宮舘涼太
宮舘涼太
「・・・」
岩本照
岩本照
「!?」
明らかに表情が変わったのは、照だった。
けれど、そのことに触れる人がいなかったので、俺もあえてスルーして見せた。
渡辺翔太
渡辺翔太
佐久間、あなたの名字さんって?
佐久間大介
佐久間大介
翔太、この前ラジオで一緒になったでしょ?
あの子だよ
渡辺翔太
渡辺翔太
あっ・・・そう、なんだ
阿部亮平
阿部亮平
(翔太・・・?)
翔太は佐久間の言葉に相槌をうつと「ふ〜ん」と視線を遠くへと向けた。
宮舘涼太
宮舘涼太
それで、これを聴いてどうするつもりだったの?
深澤辰哉
深澤辰哉
アドバイスが欲しいって話だったんだけど。
一通り聴いてもこれと言って、アドバイス的なことはいらないんじゃないかって、結論に落ち着いたところ。
照たちはどう思う?
岩本照
岩本照
俺も別にいらない気がする。
宮舘涼太
宮舘涼太
俺も、彼女の良さが出ていていいんじゃないかと思うけど
深澤辰哉
深澤辰哉
阿部ちゃんは?
阿部亮平
阿部亮平
俺も
深澤辰哉
深澤辰哉
だって、佐久間( ・ㅂ・)و ̑̑
佐久間大介
佐久間大介
分かった。そうやって彼女に伝えるよ。
ありがとうね、みんな(^ ^)
そんな佐久間をよそに、俺の目には微かな違和感だけが写って見えた。

照はともかく、舘様も、翔太まで。
彼女に何があるっていうんだろう。

消化出来ない気持ちが表に出そうになった時、ふいに、肩を叩かれた。
深澤辰哉
深澤辰哉
阿部ちゃん?
阿部亮平
阿部亮平
あっ、ふっか。どうしたの?
深澤辰哉
深澤辰哉
水、買いに行くんだけど、一緒にどう?( ◠‿◠ )
阿部亮平
阿部亮平
えっ、ああ。うん、行く



ふっかに続いて、部屋を出ると、自販機の場所へと向かう。
隣に並ぶと、ふっかは口を開いた。
深澤辰哉
深澤辰哉
どうしたの?らしくないけど
阿部亮平
阿部亮平
らしくない?
深澤辰哉
深澤辰哉
うん、眉間にすごっいシワ、よってる(。-∀-)
阿部亮平
阿部亮平
うえっ、シワ!?
慌てて、眉間を擦る俺に、ふっかはにこっと笑う。
深澤辰哉
深澤辰哉
そんなに擦(こす)らなくても(^◇^;)

それで、どうしたの?
ガシャンと自販機で水を買いながら、ふっかは問いかけた。
阿部亮平
阿部亮平
ふっか、あの・・・あなたの名字さんってさあ、どんな子なの?
深澤辰哉
深澤辰哉
何?突然σ^_^;
阿部亮平
阿部亮平
照も、舘様も、翔太も、彼女の名前が出た途端に、様子が少しおかしくなった気がして・・・。
ふっかは、自販機横のベンチに腰をかけると、俺を見上げて小さく息を吐いた。
深澤辰哉
深澤辰哉
舘様と翔太の件はよくわからないけど。
照に限っては、昔会ったことがあるみたいでさ。
俺たちにはわからない、やりとりがあるみたいだよ。
阿部亮平
阿部亮平
そう・・・なんだ。
深澤辰哉
深澤辰哉
阿部ちゃんは、舘様や翔太の件で何か気になるところとかないの?
阿部亮平
阿部亮平
俺?う〜ん。
これと言って思い当たる節がないんだけど。
深澤辰哉
深澤辰哉
そっか・・・。

あっ、阿部ちゃん?
阿部亮平
阿部亮平
何?
深澤辰哉
深澤辰哉
佐久間の話を聞く限りじゃ、あなたの名字さんは多分いい子なんだと思うんだ。
阿部亮平
阿部亮平
それは、俺も分かってるよ。
きちんと話したことはないけど、佐久間と話してるところは見たことあるから。

俺が見た印象も、真面目でいい子なんだと思った(*˘︶˘*).。.:*♡

ただ、さっきの3人の様子見たらさ。
なんでそんなに動揺するのかなぁ、って思って(^^;
深澤辰哉
深澤辰哉
3人が3人、動揺してたかは分からないけど(;^_^A

でも、それぞれに思うところがあるんじゃない?

俺らも知らないことがまだまだあるってことだよ( ・ㅂ・)و ̑̑
ふっかの隣に腰を下ろして、俺も小さく息を吐いた。
阿部亮平
阿部亮平
だね( ˊᵕˋ ;)💦
深澤辰哉
深澤辰哉
俺らもこれから絡むことが出てくるだろうから、彼女のことも知っていけるよ٩(ˊᗜˋ*)و
阿部亮平
阿部亮平
そうだね・・・っていうか、珍しくふっかが真面目( ̄▽ ̄;)
深澤辰哉
深澤辰哉
酷くない、それ(;一_一) 
たまにいいこと言うと、みんなそういうこと言うよね(๑ १д१)<ヒドイ!
阿部亮平
阿部亮平
ごめん、ごめん。
別にけなしてるつもりはなくて・・・。

ふっかは、よくみんなの事見てるんだなぁ、ってしみじみ思っただけ(*^_^*)

俺は「なんで?」って思うばっかりで、何も出来てないから(^ω^;)
ふっかは、ペットボトルを握りしめながら、呟いた。
深澤辰哉
深澤辰哉
いいんだよ、それで。

阿部ちゃんも、俺が気が付かなかったところに、気がついたじゃん。

それに、俺たち9人足りないところは補えばいいんだから。

そんなに卑屈になることないよ。


阿部ちゃんは・・・阿部ちゃんらしく居てよ(*´﹀`*)
阿部亮平
阿部亮平
ふっか・・・
深澤辰哉
深澤辰哉
阿部ちゃんが気が付かないところは、俺だって、照や舘様、翔太・・・佐久間だって、みんなでカバーすればいいんだからさ。

正直俺だって、阿部ちゃんに助けられてる時もあるし(;^_^A
ふっかの言葉は、知らぬ間に卑屈になっていた俺の心にすーっと落ちた。
阿部亮平
阿部亮平
ありがとう、ふっか(*^_^*)
深澤辰哉
深澤辰哉
どういたしまして(*'▽'*)♪

阿部ちゃん・・・
阿部亮平
阿部亮平
うん?
深澤辰哉
深澤辰哉
これで、借り1、ってことで(。¬д¬。)
阿部亮平
阿部亮平
なっ‼(•'╻'• ۶)۶
不敵な笑みに驚いた俺に、ふっかは笑って言った。
深澤辰哉
深澤辰哉
冗談に決まってるじゃん(*≧艸≦)

よかったね。眉間のシワ、消えたよー( ・ㅂ・)و ̑̑
2人で笑いあっていると、目の前にふいにチャンスが降ってくるのだった。
知りたかったことを確かめる為の・・・。

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