第44話

Flower42 【佐久間②】
1,352
2021/02/24 01:39
スタジオの外にあるカフェスペース。
コーヒーを飲みながら、台本を読み返す。
佐久間大介
佐久間大介
(さっきの、すごかったな。本当に詩織がいる気がした)
アフレコの様子を思い出しながら、ふと顔を上げると視界の先に彼女がいた。
佐久間大介
佐久間大介
あなたの名字さん
手を挙げてこちらへと促した。
少しずつ距離が近づいてきているようで、最近では前よりも気軽に話せるようになってきている。
佐久間大介
佐久間大介
さっきの演技、すごかったね。
本当に詩織がいる気がしたよ、俺
(なまえ)
あなた
ありがとう(^-^)
そう言ってもらえると嬉しいです。

でも、佐久間さんもどんどん海翔くんになってきてますよ(o^^o)
佐久間大介
佐久間大介
そうかなぁ。
まだまだ、海翔くんの気持ちになれてる気がしなくて(^-^;💦
(なまえ)
あなた
そんな事ないですよ。
いつも詩織を思ってくれてる海翔くんがちゃんといます(*˘︶˘*).。.:*♡
優しい眼差しでそう言ってくれる。
役と普段の彼女のギャップが日に日に増していってる。
そこに着実に惹かれてる俺がいて。

会う度に、心拍数が尋常じゃないくらい上がってるのを感じている。

…とはいえ、仕事をおろそかにするなんて、絶対にしちゃいけない。゜(´∩ω∩`)゜。

そんな強い思いが俺を後押しして。
最近は、彼女と一緒に仕事が出来ることをモチベーションに出来るようになってきている。

俺って、やっぱりすごいな(〃▽〃)

自分の価値観の変化に、思わず٩((灬∀灬))۶エヘッ*+と笑みをこぼしてしまった。

(なまえ)
あなた
佐久間さん?
佐久間大介
佐久間大介
あっ、ごめん。
なんでもない(^-^;💦
(なまえ)
あなた
((( *艸))クスクス
俺は照れくさくなって頭をかいてみせた。


そんな俺…未だに、彼女と連絡先の交換が出来ていない。
佐久間大介
佐久間大介
(聞いてもいいのかな)
なんて一歩を踏み出せないまま、今日まで来てしまったのだった。
佐久間大介
佐久間大介
あなたの名字さ…
(マネージャー)佐久間くん!
問いかけを遮るように、マネージャーが声をかけてきた。

(マネージャー)お疲れ様。
あの【Snowdrop】のアニメ放送に
先駆けて、ラジオが決まったよ。
佐久間大介
佐久間大介
ラジオ?
(マネージャー)そう(^-^)
パーソナリティは佐久間くんと、
あなたの名字さん。
詳細はまた後日で。

それだけ伝えとこうと思って。
これから別件があるから、僕は
いくね
足早に立ち去るマネージャーを見送り、再び2人になった。
佐久間大介
佐久間大介
なんか色々なことが急に決まりだしたね。
(なまえ)
あなた
はい…気持ちがついていかないです(・◇・)アヤヤー
佐久間大介
佐久間大介
俺たちの歌が主題歌になるってこの前聞いたときもびっくりしたけどね。
(なまえ)
あなた
あっ、歌、聴かせて、もらいました。
素敵な歌でした(〃▽〃)
佐久間大介
佐久間大介
聴いてくれたんだ(*˘︶˘*).。.:*♡
そんな些細なやり取りがすごく嬉しかった(*゚▽゚)ノ

しばらくして、アフレコは再開され、収録は16時に終わりを迎えたのだった。




そして…今日もまた連絡先の交換は出来ない俺でした( ̄^ ̄゜)

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